JSRは31日、デジタル技術を活用し、重症化予防に繋がるホルター心電計の医療機器認証を取得し、クリニック向けにテストマーケティングを開始すると発表した。
同社グループのイノベーション推進部では、社会的ニーズを捉えた医療費削減や高齢者のQOL向上を目指し、同社グループの持つ素材・製造・品質保証技術にデジタル技術を融合させ、治療から予防、そして、個別化医療の実現に向けたデジタルヘルスの実用化に取り組んでいる。
活動の一環として、簡単に装着できて、検査の負担なく不整脈のスクリーニング・診断が可能な世界最薄型・最軽量クラスのホルター心電計「Heartnote」(療機器認証番号302ACBZX00015000)を開発した。
コードレス型で防水性能が付与されており、胸部に貼るだけで日常生活に支障なく最大7日間の連続測定が可能。そのため、従来の検査で実施している24時間測定では捉えにくい循環器疾患である発作性心房細動(脳梗塞の起因となる不整脈)などの検出頻度が上がることが期待される。この取り組みは国立循環器病研究センターとの共同研究の成果であり、「第84回 日本循環器学会学術集会」で発表される。
同社グループでは、新しく開発した「Heartnote」を活用して循環器疾患の検査に限らず、予防・スクリーニング・診断領域でも、独自のアルゴリズムによって精神疾患や生活習慣病の検知などに応用できると考えている。さらなる応用分野の開拓のため、オープンイノベーションにより、幅広い開発・事業パートナーと協力しながら、社会へ新たな価値を提供していく考えだ。