JXTGホールディングはこのほど、中国・比亜迪(BYD)の日本法人ビーワイディー(BYD)ジャパンと基本合意書を締結し、EVバス向け蓄電池の「リース・リユース・リサイクル」循環モデルの構築に向けた協業を開始すると発表した。
循環モデル構築に向け、両社は来春からバス運行会社と共同で、EVバス運行の実証実験を開始し、運行データや蓄電池の消耗度など、EVバス向け蓄電池リースに向けた情報収集を行う。また、実証実験で使用するEVバスをはじめ、BYDジャパンから提供される、EVバスの使用済み蓄電池を定置用蓄電池として活用する、リユースの実証実験も併せて実施する。
この協業の開始により、両社は循環モデル実現に向けた一歩を踏み出し、リサイクルの技術・運用を含め、2025年をめどに同モデルの確立を目指す。
リチウムイオン電池をはじめとする蓄電池は、EVの動力や再生可能エネルギーの調整力、災害時の非常電源など、さまざまな分野での活用が期待されている。一方、その複雑な構造・特性から性能評価が難しいため、リユース・リサイクルの仕組みは確立されていない。
JXTGグループは蓄電池の活用が期待される、電力事業・金属リサイクルに関するノウハウを持つ。BYDは創業以来の事業である、蓄電池に高い技術とノウハウを持ち、2015年から4年連続、EV販売台数で世界シェアトップを誇っている。
これらの強みを結集し、両社はEVバスに搭載される蓄電池をバス運行会社にリース(1次利用)、EVバスで使用済みとなった蓄電池を回収して、定置用蓄電池としてリユース(2次利用)、さらにリユース後の蓄電池を素材レベルへ分離し、新規材料へ活用するリサイクル(3次利用)を図る循環モデルの構築に取り組む。両社は、蓄電池の「リース・リユース・リサイクル」を通じて、持続可能な循環型社会の形成に貢献していく。