三菱ケミカルホールディングス(MCHC)は20日、米国シリコンバレーに設立したCVC子会社であるダイヤモンド・エッジ・ベンチャーズ(DEV:米国カリフォルニア州)を通じて、牛乳たんぱく質のカゼインを原料とした生分解性ポリマーを製造・販売するLactips(フランス・リヨン市)に出資したと発表した。
Lactipsのバイオ由来の生分解性ポリマーは、海水でも完全に分解する素材であり、水溶性、ガスバリア性および可食性といった多様な特長を持ちながら、従来のプラスチックと同様に熱成形や押出成形などの加工が可能。両社は今回のパートナーシップにより、海洋プラスチック問題をはじめとする世界規模のプラスチックごみ問題へのソリューション実現に取り組んでいく。
MCHCは、生分解性ポリマーの「BioPBS」や水溶性フィルムのハイセロンなどの環境に配慮した製品やサービスを提供することで、プラスチックのサーキュラーエコノミー(循環型経済)推進に向けた取り組みを強化しており、今回のLactipsへの出資によりその取り組みを加速させていく。
今後もDEVを通じて、同社グループの新たな成長機会をもたらすスタートアップ企業との連携を進めていく考えだ。