大王製紙と丸紅 ブラジルの衛生用品メーカーを買収

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2020年3月6日

 大王製紙と丸紅はこのほど、ブラジルのSanther社の全株式を共同で取得することに合意したと発表した。Santher社の株式を、買収子会社(大王製紙51%、丸紅49%出資)を通じて取得する。

 今回、両社が共同でブラジル市場に新規参入する背景として、同国内の人口増加と経済発展が著しく、今後もパーソナルケアをはじめとした消費財への需要増加が大いに見込まれ魅力的な市場であることが挙げられる。

 ブラジルのホーム&パーソナルケア(H&PC)市場は世界第四位の市場規模であり、過去5年間で衛生用紙が年率5.6%、紙おむつが同5.4%の成長を達成。人口の増加や経済発展・生活水準の向上に伴う普及率上昇により今後も継続的な市場拡大が見込まれる。

 こうした成長市場に参入するには、グリーンフィールドから一定のシェアを獲得して利益を上げるまで相当な年数がかかることが予想されるため、有望なローカル企業を友好的に取り込むことが有効な手法であると判断し買収に至った。

 Santher社は、ブラジルで衛生用紙やベビー用おむつ、生理用ナプキンなどのパーソナルケア商品の製造・販売を行っており、創業80年以上の歴史がある。ブラジル全土にわたってブランド認知度は非常に高く、特に、衛生用紙はマーケット・リーダーとしての確固たる地位を築いており、紙おむつ、生理用品ではローカルメーカーの中でトップシェアを持つ。

 大王製紙と丸紅は今回の買収を機に、効率化・高付加価値化による収益力強化を目指した生産体制の再構築を加速化させる。同時にブラジル国内で、大王製紙は、強みを持つ大人用おむつの製造・販売への参入、プレミアム製品ラインの拡充、成長が著しい病院・クリニック向けのB2B製品強化、保湿・可溶性向上などの新技術の導入によりSanther社のさらなる成長を促進。

 一方、丸紅は、同国での豊富な事業運営の知見やグローバルネットワークを活用してSanther社の企業価値向上を図るとともに、将来的にはブラジルのみならず、南米全域、さらにはアフリカまでを見据えたH&PC事業の展開を目指す考えだ。