帝人フロンティアはこのほど、インナーに求められる汗処理機能と、ミドラー(中間着)に求められる保温機能を兼ね備えた新規な嵩高立毛構造体「Thermo Fly(サーモフライ)」を開発したと発表した。
2021年秋冬のスポーツ・アウトドア向け衣料の重点プロモート素材と位置づけ、一般カジュアル用途やユニフォーム用途にも積極的に拡販を図っていく。2025年度の販売目標は100万m。
「サーモフライ」は、吸汗速乾性に優れる超異形中空断面糸「オクタ」を中間結節部に使用した3層構造のダブルラッセル編地を精緻に半裁し、高品位に染色仕上げした〝起毛しない〟新規嵩高立毛構造体。肌に触れる面の毛先を均一化することで、高い汗処理機能と、軽量嵩高性・ウォーム感による保温機能を両立させ、今までにない着用快適性を実現した。
同製品は環境にも配慮。リサイクルポリエステル原料100%での製造が可能で、長繊維を使用し起毛が起こらず繊維の抜け落ちが発生しにくいため、海洋マイクロプラスチックの発生を抑制する。
アウトドアウェアは、運動量や気候に応じてアウター、ミドラー、インナーの3着のウェアを着脱することで温度調整するのが一般的だが、昨今は街着としても親しまれるようになってきた。機能を保ちながら重ね着を減らすことが求められ、インナーとミドラーを兼ね備えたウェアのニーズが高まっている。
一般にインナーには汗処理機能、ミドラーには保温機能が求められる。そのため、ミドラーには主に起毛素材が使用されるが、起毛加工により吸水面が不均一となることで汗処理機能が低下するなど、インナーとミドラーの機能を兼ね備えることはできなかった。
こうした中、同社は独自の技術を駆使することにより、インナーに求められる汗処理機能と、ミドラーに求められる保温機能を兼ね備えた「サーモフライ」の開発に成功した。