宇部興産はこのほど、スペインの連結子会社UCEのドイツ子会社UEGが、中東地域でのグループ製品の市場開拓やサービス拡充の拠点として、トルコ共和国・イスタンブール市に駐在員事務所を開設したと発表した。宇部興産の化学事業として、中東地域では初の拠点となる。
UCEおよびUEGは宇部興産グループの欧州拠点として、化学製品の製造のほかに宇部興産製品の販売、資材の購入を手掛けている。欧州から中東地域への玄関口にあたるトルコは欧州企業の戦略的重要拠点であり、今回の駐在員事務所設立により、UCEおよびUEGの主力事業であるナイロン樹脂やファインケミカル製品をはじめとするグループ内事業の市場開拓を強化し、成長するトルコと、その周辺地域の市場の取り込みを図る。また、グループ拠点のある欧州との地理的な近さや、外資を優遇するトルコの制度などの利点も最大限に活用し、事業拡大を加速させる。
同社グループは、新興国を中心とする成長市場をターゲットにグローバル展開を進めており、アジア・南米に海外法人の設立などを進めているが、新事務所開設を契機に、中東地域でも事業拡大を目指す考えだ。