デンカは2日、電動車xEV向けの新たな放熱材料として異種金属接合が可能な窒化ホウ素(BN)樹脂複合基板を開発したと発表した。
主にxEVなどに搭載されるモーター駆動インバーター制御用パワーモジュール(電力の制御・供給を行う電源回路集積部品)などに対応できる基板で、高機能セラミックスBNの優れた熱伝導性や電気絶縁性などの特長を生かしながら、接着性樹脂を複合させることで、従来の放熱基板では困難だった厚銅を含む異種金属の基板表裏への接合を実現した。様々な材料で構成されるパワーモジュールの小型・軽量化や熱伝導性の向上が期待される。要求特性に応じて、樹脂とBNの比率を変えて熱伝導率を調整できるため、多様な設計が可能になる。4日まで幕張メッセ(千葉市)で開催中の「高機能素材Week」で紹介する。
同社は5GやxEVを中心に環境・エネルギー分野に注力し新素材の開発を進めており、新機能セラミックスやLCPフィルム、低誘電絶縁材料のほか、高耐熱フィルム、高耐熱仮固定接着剤、高熱伝導性フィラー(球状アルミナ、球状マグネシア、BN、窒化珪素)、誘電特性制御フィラー、アルミナ繊維、光透過性良触感起毛シートなども展示する。