信越化学工業は27日、2022年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比33%増の9413億円、営業利益は同62%増の2984億円、経常利益は同58%増の3035億円、純利益は同57%増の2209億円となった。
同日開催された電話会議による決算会見において、斉藤恭彦社長は「北米シンテックの塩ビ事業が好調で大幅な増益となり、全体の収益をけん引した。また各事業セグメントも好循環の兆しが見える」と総括した。
セグメント別では、生活環境基盤材料事業は、増収増益。塩化ビニルは世界の旺盛な需要に支えられて製品価格の上昇が続いた。カセイソーダも6月以降、市況が着実に改善。米国シンテック社をはじめとする全拠点でフル操業となったが、需要は供給力を上回った。
電子材料事業は増収増益。不足が解消しないほど強さの続く半導体需要に対応すべく、半導体産業はフル操業を継続。同社は、半導体シリコン、フォトレジスト、マスクブランクスなどの半導体材料を最大限出荷した。希土類磁石もマレーシアでの操業制限を受けたものの、自動車、産業機器、ハードディスクほかの用途向けに旺盛な需要に応えるべく、最大限の出荷を行った。
機能材料事業は増収増益。すべての用途と市場で需要が増大し、全生産拠点でフル操業を継続して最大限の供給を行った。一方、原材料価格の高騰に対処すべく一連の価格修正を実施した。
加工・商事・技術サービス事業は増収増益。半導体ウエハー関連容器の出荷は発送・納入用、工程内用ともに好調、また自動車用入力デバイスの出荷も堅調だった。8月には、食品包装用塩ビラッピングフィルムの製造・販売を事業とするキッチニスタを買収した。
通期の連結業績予想については、前回発表を据え置いている。斉藤社長は「上期が終了した時点で通期予想に対する進捗は60%だが、注意すべき事象も出てきており、予想数値を確実に上げることを第一に取り組んでいく」と語った。