アジア石油化学工業会議(APIC2019)が今日から2日間(16日~17日)、台湾・台北のマリオットホテルにおいて、「スマート石油化学プロセス‐より良い世界を可能にする持続可能なソリューション」をテーマに開催される。
昨今、海洋プラスチックごみ問題など廃棄物の問題が注目されている。石化産業に逆風が吹き始めており、業界全体として持続的な開発を確実にすることが重要な課題だ。
一方、国連によってSDGs(持続可能な開発目標)が設定され、社会課題解決に向けた化学技術への期待が高まっている。こうした環境の下、石化業界の持続的発展のためには、高度な技術の取り込み、高付加価値の製造、および環境への配慮が重要なカギとなる。
安全性や収益性の向上のため、これまでの豊富なデータを活用した「スマート」石化プラントモデルの構築や、また、革新的な製品を開発するため、ビッグデータやAI(人工知能)といった情報技術を取り入れることも必要不可欠だ。
今回のAPICでは、持続可能なソリューションを提供するための「スマート石油化学プロセス」について、アジア各国の石化関係者が国や企業の垣根を越えて意見交換を行うことが期待される。
16日には、各識者によるマーケティングセミナーが予定されており、化学産業の持続的成長、市場から製品中心への転換、代替的・破壊的な解決策、持続可能なフットプリントなどについて、調査会社によるセミナーが行われる。
また、17日の総合会議では、運営委員会メンバー各協会(台湾、日本、韓国、マレーシア、タイ、シンガポール、インド)代表によるオープニングアドレスに続き、「持続可能で責任ある石油化学産業に向けた協働」をテーマに円翔詩博士(持続可能な循環型経済発展協会会長・中原大学教授)による基調講演、およびパネルディスカッションが行われる。
そして午後に開催される分科会の後、フェアウェルパーティーで閉幕となる。
昨年8月に開催されたAPIC・マレーシア大会では、過去最高となる合計2011名が参加し大盛況となった。
今回の台北大会では、環境問題への意識が高まる中、石化産業に求められる持続可能なソリューションの提供について、どのような議論が行なわれ、課題の共通認識を図っていくのか、世界の注目が集まっている。