三菱ケミカルホールディングス DX関連書籍を発刊、実践的知識を紹介

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2021年3月31日

 三菱ケミカルホールディングスは30日、同社グループで行うデジタルトランスフォーメーション(DX)の研修内容をベースとした書籍「DXの教養」を制作したと発表した。なお、同日にインプレスから発売(定価:税込み1980円)されている。

「DXの教養」を発刊
「DXの教養」を発刊

ここ数年、DXというキーワードが注目を集めており、特に、新型コロナウイルス感染症が拡大して以後は、その重要性はますます高まっている。一方で、DXを単なるデジタル技術の導入・活用と捉え、本来あるべき、「ビジネスモデル変革」に取り組むことができている企業はまだ少ないとみられている。

 「DXの教養」は、同社が従業員を対象に行っているeラーニング「DXの基礎」をベースに、「DXとは何か」「なぜ今、DXが必要なのか」「私たち一人ひとりに何が求められているのか」といった疑問に答える内容。

 同社は、同書を通じて、グループの枠を超え、より多くの人々と「DXによって、どんな企業や社会を目指すのか」を考えていくことを期待し、今回の発行を決定した。同社は2017年にDXグループを設置。傘下の事業会社と協業しながら、様々なデジタルプロジェクトを実施するとともに、DXに関する啓発活動を進めてきた。

 今後も、自社でDXを推進するだけでなく、ノウハウを社外に公開することで、デジタル技術の普及とデータ駆動型社会の進展を図っていく。

帝人 低速EVのプロトタイプ、豪AEV社と共同開発

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2021年3月31日

 帝人は30日、LS-EV(低速EV)の軽量化に向けた開発パートナーである豪州・AEV社と、LS-EVのプロトタイプを共同開発したと発表した。

共同開発したLS-EVプロトタイプ
共同開発したLS-EVプロトタイプ

 両社は、将来のEVに求められる技術基盤を獲得・整備するため、2019年からLS-EVの共同開発を推進。最近の成果として、多目的LS-EV向けプラットフォームや、太陽電池搭載のLS‐EV向けルーフを開発している。

 今回開発した4人乗りのLS-EVのプロトタイプは、両社が共同で取り組んできた「Well to Wheelゼロエミッション」というテーマを具現化。帝人の軽量・高強度素材、加工に関する最先端技術、成形ノウハウと、AEV社がもつLS-EVの基本設計や、低エネルギーでの駆動・制御などに関する技術を最適条件で組み合わせて設計している。車体プラットフォームには、低エネルギーでの走行が可能な「Blanc Robot」を使用しており、最適なエネルギー効率を発揮し、無人走行システムにも対応できる。

 一方、車体の窓やドアには、軽量で耐衝撃性に優れる帝人のポリカーボネート樹脂「パンライト」製のグレージングを使用。洗練されたスタイリッシュな外観を実現し、優れた赤外線遮断性で室内の温度上昇の抑制を可能にした。また「パンライト」製のグレージングを曲面形状に一体成形したルーフには、ソーラーパネルと軽量な給電モジュールを搭載。豪州の日照条件下での試験では、一般的なソーラーパネルと同等の約330Wを記録した。

 さらに車内には、帝人フロンティアが展開するポリエステル製タテ型不織布を、断熱・吸音材に使用。外気による車内温度への影響やロードノイズを低減させることで、車両のエネルギー効率や快適性の向上に貢献している。これらによりエネルギー効率は、両社が目標としてきた歩行者レベルの消費エネルギーとほぼ同等で、自動走行車としては過去最高レベルのものとなった。

 帝人は今後、近未来のモビリティへのニーズを先取りし、自社の高機能素材や設計、デザイン、複合化技術による技術提案力を強化することで、「Well to Wheelゼロエミッション」の実現に向けた取り組みを一層強化していく。

 

JSR 中期経営方針策定、石化系事業は含めず

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2021年3月31日

DSとLSをコア事業、最終年度に最高益達成へ

 JSRは26日、JSRグループビジョン(ありたい姿)と、それを実現するための戦略をまとめた中期経営方針(2021~2024年度)を発表した。なお、石油化学系事業(エラストマー事業および合成樹脂事業)については、エラストマー事業の抜本的な構造改革に着手していることから、今回の発表には含めていない。同日、オンライン説明会を開催し、エリック・ジョンソンCEOが説明を行った。大きなビジョンとして、「持続的(サステナブル)成長を目指し、すべてのステークホルダーに価値を創造する」「あらゆる環境変化に適応する強靭な(レジリエント)組織を作る」を掲げる。

 それを踏まえた中期経営方針では、今後の社会の発展に重要な位置を占め、市場の成長が期待される

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三井化学 高屈折メガネレンズ材料、米コストコが標準採用

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2021年3月30日

 三井化学はこのほど、高屈折率メガネレンズモノマー「MR」を使用したメガネレンズが、会員制大手量販店の米コストコに標準採用され本格的な販売が始まったと発表した。

米コストコは3月から、三井化学の「MR」を使用したメガネレンズに全面的に切り替えていく
米コストコは3月から、三井化学の「MR」を使用したメガネレンズに全面的に切り替えていく

 コストコはこれまで、米国市場で標準材料となっている中屈折率のポリカーボネート(PC)系メガネレンズを主に取り扱っていたが、昨年10月から三井化学の「MR」を使用した高屈折率のウレタン系レンズへの切り替えを順次開始しており、3月から全面的に切り替えていく。

 「MR」は独自の重合技術により高屈折率・高アッベ数・軽量かつ高耐衝撃性を実現したチオウレタン系樹脂(硫黄を含むウレタン)メガネレンズ材料。粘りのあるチオウレタン系樹脂により、薄くても割れにくく、アッベ数が高いことからレンズ度数が高くなっても色にじみが少なくクリアな視界が得られるといった特長をもつ。コストコはこのような「MR」の光学性能を高く評価。同時に同社の「高性能な優良ブランド商品をお客様に提供する」というコンセプトが、「MR」の「より軽く、より薄く、より洗練された性能」と合致したことから採用に至った。

 三井化学グループは、今回のコストコの標準採用を契機に、米国市場での人々の視界品質(QOV)の向上に向けて、PC系からウレタン系「MR」を使用したレンズへの切り替え訴求を進め、さらなる販売拡大を図っていく考えだ。

アジア石化市況 エチレンは需給ひっ迫で一段高に

2021年3月30日

芳香族三製品とも弱含み、スチレンモノマー下落

 アジア地域の3月第1週の石化市況では、エチレンは前週比135ドル高の1185ドル/tでの取引となった。米国寒波の影響で供給不足が懸念され、需要家の買いが強まりひっ迫感が強まった。スプレッドも、

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【国際化特集】経済産業省製造産業局素材産業課企画調査官 小林麻子氏

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2021年3月29日

グリーン社会への転換が国際的潮流に、イノベーションを期待

2021年の世界経済の動向と化学産業の業況見通しについて

 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、依然として厳しい状況にありますが、全体としては緩やかに回復していると捉えています。IMF(国際通貨基金)は1月、今年の世界経済成長率の見通しを5.2%から5.5%としました。3月のOECD(経済協力開発機構)の予測も世界成長率を5.6%に上方修正しています。アメリカや日本をはじめとした主要国の政策支援やワクチンが経済活動を活性化させる期待が高まっていますが、新たな感染の波や変異株ウイルスの影響による異例の不確実性のなか、引き続き世界経済の動向をしっかり注視していく必要があります。

 そのなかで、化学産業は、エチレン設備稼働率が

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【国際化特集】信越化学工業代表取締役会長 金川千尋氏

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2021年3月29日

塩ビは環境貢献とインフラ整備に不可欠、需要を捉えて増設

2021年の世界情勢と事業環境の見通しについて。

 金川会長画像世界各国は新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めつつ経済活動との両立を果たそうとしています。これは過去に例を見ない難しい状況です。そのような中で、当社の主力製品である塩ビは北米のみならず全世界で需要が伸びています。また半導体ウエハーも堅調です。当社はコロナ禍の中にあっても各製品の需要を取り込むことに注力しています。各国でワクチンの接種が進められていますが、人類の英知が必ずや新型コロナウイルス感染症を克服するものと確信しています。

米中関係が新たな局面を迎える中、どう対応していきますか。

 米中両国が相手国への関税の引き上げなど対立を激化させれば、当然世界全体に大きな影響を与えます。当社はカントリーリスクの低い米国で塩ビ事業を拡大してきました。半導体ウエハーでも米国に工場を有するなど、主要事業では複数の国に

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【国際化特集】三菱ケミカルホールディングス代表執行役社長 越智 仁氏

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2021年3月29日

発想力で新しい価値観を生み出す人材、変化にはDXで対応  

コロナ禍など未だ不透明な状況が続くが、化学産業の業況について。

 業界によってまちまちだが、化学業界で言えば、すでにコロナ前の状況にまで回復してきている。当社の収益率を見ても、昨年の4月を底に右肩上がりで伸びてきており、最近はさらにそれが立ち上がってきている状況だ。米中貿易摩擦以前、つまり2018年以前の状態に戻ってくるのは、おそらく2022年から2023年の始めごろだと見ている。

 その大きな理由の1つは、

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【国際化特集】旭化成代表取締役社長 小堀秀毅氏

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2021年3月29日

成長は海外に、グローバル・変革を見据えた取り組みに注力

2021年の世界情勢について。

  新型コロナウイルスの問題については、ワクチン接種が始まったことで明るい兆しは見えている。ただコロナ禍の収束には、治療法の確立とワクチンの普及が条件であり、今年はまだ人々の行動に制限がかかるだろう。また、コロナ禍によってオンラインの普及や活用が急速に進んでいる。Eコマースが拡大するなど新たな潮流が出てきており、産業構造が大きく変わる可能性もある。

 一方、米国はバイデン政権に代わり、

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