太陽インキ製造 高周波対応新シードフィルムで初受賞

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2020年7月13日

 太陽ホールディングスはこのほど、子会社の太陽インキ製造(埼玉県嵐山町)が「高周波対応配線形成用新シードフィルム」で「第16回JPCA賞」を受賞したと発表した。

高周波対応配線形成用新シードフィルムの外観
高周波対応配線形成用新シードフィルムの外観

 同賞は日本電子回路工業会が主催・運営する「第50回国際電子回路産業展」の出展者を対象とした、電子回路技術および産業の進歩・発展に貢献した製品・技術への表彰制度として2005年に創設されたもの。今回、太陽インキ製造にとって初の受賞となる。

 同開発品は次世代通信規格5Gの高周波帯域用の電子機器向けにDICと共同開発したもので、ナノメタルからなるシード層を両面にコートしたフィルム。5Gの普及に伴い、使用周波数帯域であるSub6やミリ波帯で高周波信号をロスなく伝送する銅配線技術が重要となる。高周波であるほど電流は銅配線表層しか流れず、表層が平滑でなければ伝送損失が増す。そのため、配線の表面や側面を平滑にする銅配線形成技術が求められている。

本開発品による銅配線形成例
本開発品による銅配線形成例
銅配線の厚み=8μm 斜め配線L/S=10/10 縦配線L/S=8/8(um)

 従来の銅シード・モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)では、シード層の銅のエッチングにより銅配線も溶解し、表面や側面の凹凸が大きくなる課題があった。今回シード層を銅以外の金属とすることで、エッチングによる銅配線の溶解をなくし、表面や側面が平滑なファインパターンが得られた。主な用途として、低損失の高周波伝送配線、高品質アンテナ、高精度配線・高密度配線などが期待できる。

戸田工業 EV向け非接触給電用フェライトシートを製品化

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2020年7月13日

 戸田工業はこのほど、厚膜超大判フレキシブルフェライトシートに関し、量産製造も視野に入れた開発設備を導入し、EV向け非接触給電用途へのサンプルワークを開始したと発表した。

EV向け非接触給電システム用厚膜超大判フレキシブルフェライトシート
EV向け非接触給電システム用厚膜超大判フレキシブルフェライトシート

 同社は、長年培った酸化鉄・フェライト技術で、フレキシブルフェライトシートの特許・製造ノウハウを保有。スマートフォン搭載のNFCアンテナ用フレキシブルフェライトシートのパイオニアとして、2006年から本格量産を開始、17年からは同用途の非接触給電用フレキシブルフェライトシートの本格量産を開始した。現在は大竹事業所(広島県大竹市)をマザー工場に、グループ企業や提携企業を含め世界最大規模の供給能力を持つ。

 近年はEV向けにも非接触給電の採用が進み、方式も世界的に固まりつつある中、EVの出荷台数増加を背景に、非接触給電システムの開発・製品化が加速している。EV用の大電力送受信には、フェライト材料の一層の高性能化と大型・厚膜化が必要であり、韓国子会社・TODA ISUのMn‐Zn系フェライトと、日本のフレキシブルフェライトシートの開発・製造ノウハウの融合を目指している。

 フェライトはセラミックスのため、振動による割れや欠けが課題となり、EⅤ用に通常使用されるプレス成形のフェライトではアンテナコイル用の大判化が困難といった問題がある。

スマートフォン用薄膜フレキシブルフェライトシート
スマートフォン用薄膜フレキシブルフェライトシート

 戸田工業のシート成膜技術によるフレキシブルフェライトシートは耐衝撃性が高く超大判も製造可能。現在20cm×10cm(フェライト厚み1~2mm)シートのサンプルワークを開始し、今後20cm×30cm(同1~4mm)の製造を目指している。EV向け非接触給電システムのインフラが整備されて市場が拡大すると予測される2025年を目標に、年間100万台規模の供給能力を構築し、事業拡大を図る考えだ。

 

東洋紡 新型コロナウイルス検出キットを福井県に寄贈

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2020年7月13日

 東洋紡はこのほど、同社敦賀バイオ研究所(福井県敦賀市)が地域への感謝の意を込め、行政検査と医療機関内でのスクリーニングへの貢献を願い、福井県に新型コロナウイルス検出キット「SARS‐CoV‐2 Detection Kit」を寄贈したと発表した。

福井県衛生環境研究センターの谷口所長(左)と、東洋紡敦賀バイオ研究所の荒川所長
福井県衛生環境研究センターの谷口所長(左)と、東洋紡敦賀バイオ研究所の荒川所長

 同キットは、これまで2時間半以上かかるのが一般的だったPCR法による新型コロナウイルスの抽出から検出・測定までを、最短60分以内で完了。今年4月から敦賀バイオ工場(同)で製造を開始し、研究用試薬として全国の研究機関や大学の研究室、製薬メーカーの研究部門向けに販売を始めた。5月からは公的医療保険適用の対象となり、地方衛生研究所や病院などでも使用されている。

 今月7日、福井県衛生環境研究センターで行われた寄贈式で、同センターの谷口和之所長に、東洋紡の荒川琢敦賀バイオ研究所長より検出キットが手渡された。同社は今後も、新型コロナウイルスの感染拡大防止に日夜尽力している人々を支援していく考えだ。

今回寄贈した新型コロナウイルス検出キット。「N1 set」(左)と「N2 set」
今回寄贈した新型コロナウイルス検出キット。「N1 set」(左)と「N2 set」

 敦賀バイオ研究所は、東洋紡のバイオ分野の研究・開発拠点、並びに事業部直轄の研究所として、新製品開発の推進を担う。診断薬用酵素や生化学診断薬、研究用試薬を中心とした研究開発に加えて、醗酵生産技術・タンパク質や遺伝子の取り扱い技術といったバイオのコア技術を生かした機能性物質・診断システム・創薬支援など新分野での新製品開発にも取り組んでいる。

 

DNP 5ナノ対応EUVフォトマスクプロセスを開発

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2020年7月13日

 大日本印刷(DNP)は10日、マルチ電子ビームを使うマスク描画装置を利用し、現在の半導体製造の最先端プロセスであるEUV(極端紫外線)リソグラフィに対応する、5㎚プロセス相当のフォトマスク製造プロセスを開発したと発表した。

EUVリソグラフィ向け5nmプロセスに相当する高精度なフォトマスク
EUVリソグラフィ向け5nmプロセスに相当する高精度なフォトマスク

 現在の半導体製造では、フォトリソグラフィ技術で十数㎚の回路パターンをシリコンウェハに形成している。しかし、光源に波長が193㎚のArF(フッ化アルゴン)などのエキシマレーザーを使用しているため、解像度に限界があった。この課題に対し、EUVリソグラフィでは、波長が13.5㎚のEUVを光源とすることで、数㎚の回路パターンの形成が可能となる。この技術は、一部の半導体メーカーで、5~7㎚プロセスのマイクロプロセッサーや最先端メモリデバイスなどで実用化が始まっており、今後は最先端プロセスを手掛ける多くの半導体メーカーでの利用拡大が見込まれている。

 同社は2016年に、フォトマスク専業メーカーとして世界で初めてマルチ電子ビームマスク描画装置を導入。高い生産性と品質で半導体メーカーの要望に応えてきた。今回、マルチ電子ビームマスク描画装置の特性を生かした新たな感光材料を含むプロセスを独自に設計。EUVマスクの微細構造に合わせて加工条件を最適化することで、専業メーカーとしては初めて5㎚プロセスに相当する高精度なEUVリソグラフィ向けフォトマスク製造プロセスを開発した。

パターン拡大写真
パターン拡大写真

 マルチ電子ビームマスク描画装置は、26万本の電子ビームを照射することで、高精度なパターニングに必要となる高解像レジストの使用が可能となり、曲線を含む複雑なパターン形状に対しても描画時間を大幅に短縮できる。また、同装置のリニアステージ(部材を直線的に移動させる土台)は動作安定性が高く、描画精度の向上を実現した。

 同社は今後、国内外の半導体メーカーのほか、半導体開発コンソーシアム、製造装置メーカー、材料メーカーなどへEUVリソグラフィ向けフォトマスクを提供するとともに、EUVリソグラフィの周辺技術開発を支援し、2023年には年間60億円の売上を目指す。

 また、ベルギーに本部を置く半導体の国際研究機関IMECをはじめとしたパートナーとの共同開発を通じて、3㎚以降のより微細なプロセス開発を進めていく。DNPは、印刷プロセスを応用・発展させた「微細加工技術」を活用し、今後さらに需要が高まる微細な半導体用フォトマスクの供給体制も強化していく方針だ。

長瀬産業 シンガポールに食品素材ラボ、海外2拠点目

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2020年7月10日

 長瀬産業は9日、販売子会社のNagase Singaporeが、同社グループが取り扱う食品素材によるソリューションの提供や、食品飲料メーカー向けの実演・講習会などのコミュニケーションを行う拠点として、シンガポールに「リージョナル・イノベーション・センター」をオープンすると発表した。同施設は、製造子会社である林原(岡山市)が日本国内(岡山・東京)で展開するアプリケーション開発ラボ「L‘プラザ(エルプラザ)」を海外に展開するもので、昨年に開所した中国・厦門に続き2例目となる。

エントランス
エントランス

 同施設は、各国の食文化や味付けによって異なるニーズをふまえたレシピ提案、アプリケーション開発、顧客へのプレゼンテーションやセミナーの実施を目的に開設するもので、主なターゲットは東南アジア、オセアニア、中東地域のパン、菓子、飲料、乳製品、加工食品、麺などを含む食品飲料業界メーカー。

 林原の主力製品である多機能糖質「トレハ」、ビタミン・アミノ酸などの多様な食品素材のプレミックス(配合品)に強みを持つ米国の食品素材加工・販売会社プリノバ・グループの取り扱い製品、ナガセケムテックス(大阪市)が製造する酵素製剤などグループの商材を中心にソリューションを提供していく。

 長瀬産業では、今年度までの中期経営計画「ACE‐2020」の注力領域の1つにライフ&ヘルスケア分野を掲げており、今年4月には食品素材を事業領域とするフードイングリディエンツ事業部を立ち上げた。特に海外を舞台にグループ全体で食品素材事業を展開するため、「Nagase Food Ingredients」(中文:长濑食品素材)のブランド名で事業をグローバルに推進しており、今後もグループのシナジーを最大限に生かし食品素材業界でのプレゼンスを向上していく考えだ。

実演イメージ
実演イメージ

プラ工連5月実績 コロナ禍で原材料・製品生産減少続く

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2020年7月9日

 日本プラスチック工業連盟がこのほど発表したプラスチック原材料・製品の生産・輸出入状況によると、確報となる4月のプラスチック原材料生産は、前年同月比12%減の75万9000tと2カ月連続で減少した。5月の速報でも同12%減で推移。主要品目のポリエチレンやポリプロピレン、塩化ビニル樹脂は3カ月連続、ポリスチレン(AS樹脂、ABS樹脂含む)は6カ月連続でそれぞれ減少した。

 4月のプラスチック製品生産は、

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三井化学 ゲル新素材の拍手ロボット、ヒトの拍手を再現

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2020年7月9日

 三井化学は、ヒトの肌に近い感触を備えるゲル新素材を使い、ヒトの拍手に近い音を再現する拍手ハンドを開発し、このほど、バイバイワールド(東京都品川区)のエンターテイメントロボット「ビッグクラッピー」の2020年モデルに採用された。

三井化学のゲル新素材を採用した拍手ロボット『ビッグクラッピー』
三井化学のゲル新素材を採用した拍手ロボット「ビッグクラッピー」

 「ビッグクラッピー」は、拍手と音声で楽しませてくれる拍手ロボット。店頭での販促をはじめ、飲み会やスポーツ観戦など各種イベントでその場を盛り上げてくれる。

 よしもとロボット研究所チーフクリエーターも務めたバイバイワールドの髙橋征資代表は、よりヒトに近い拍手音の再現を追求していた。こうした中、東京都中小企業振興公社の紹介が契機となり、両社間で拍手ハンドの開発を開始。三井化学は拍手音を最適化するため、「ビッグクラッピー」の音響テストを実施し、ゲル素材の分子構造を変えることで、様々な硬度や反発性の異なる拍手ハンドを製作した。さらに、音響テストによる時間周波数特性解析を比較することで、ヒトの拍手音に合った広い周波数帯の再現が可能になった。

 近年、ロボットをヒトへ近づけていくために、柔らかい素材でできたロボット部品のニーズが高まっている。ゲル新素材は、三井化学の分子設計技術をベースに、10年以上を費やし蓄積したヒトの肌に近い物理特性を自由に制御する技術により開発した。同社のロボット材料事業開発室では、革新的なロボット向けにプラスチック部品の製造販売を行う。

拍手ロボット『ビッグクラッピー』の全体像
拍手ロボット「ビッグクラッピー」の全体像

 今回の拍手ハンドは、ゲル新素材と金属を一体成型して製造。また、ゲル新素材は、眼科手術練習シミュレーターの眼球モデルへの採用実績もあり、サービスロボットや医療分野など、ヒトの肌に近い柔らかな触感が求められる様々な製品へ応用を図っていく考えだ。

 革新的な新商品を生み出すチャレンジには、新しい素材が欠かせない。三井化学は今後も、世の中のイノベーションを促進するため、長年の素材の知見を生かし、新規事業やベンチャー企業をサポートしていく。

 なお、「ビッグクラッピー」は、赤い扇風機の羽根の部分をタコの頭にしたような外観で、頭上に掲げた両手でパチパチと拍手するロボット。コミカルな大きい目と、音声に合わせて動く分厚いピンクの唇も特徴の1つ。サイズは高さ900㎜×幅300㎜×奥行340㎜。2個の人感センサーを内蔵し、ヒトの動きを感知して拍手と音声が作動する。電源はACアダプタ仕様。現在、レンタル・販売中。

 

DNP ICタグ効果検証用のトライアルキットを開発

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2020年7月9日

 大日本印刷(DNP)は8日、ICタグ(RFID)の導入に向けた効果検証を効率的に実施できるトライアルキット(リーダライタとアプリで構成)を開発し、ICタグを活用した業務効率化の効果をPoC(概念実証)で検証できる「DNP RFID導入検証支援サービス」を開始すると発表した。

据置型リーダライタでの利用イメージ
据置型リーダライタでの利用イメージ

 新型コロナウイルスの感染防止対策の一環で、非接触での業務が増加しており、数メートル離れていても複数のIDを読み取ることのできるRFIDの導入を検討している企業に対し、計画から評価まで一連の概念実証をスムーズに実施できるよう支援していく。

 製造や流通・小売りの企業では、サプライチェーンの中で製品の流れや在庫を可視化し、業務を効率化するRFIDの活用が注目されている。またRFIDで取得したデータの分析から、生活者が求める商品を生産し、店頭に配置して効率よく販売することで、サプライチェーンの各工程で価値を生み出す有用性が期待されている。

 RFIDの活用は、事前の導入効果検証や運用を想定した課題の抽出が重要な成功要因だが、これまでは機器の購入や簡易システムの開発など検証準備にかかる負荷が大きく、検証作業の障害となっていた。こうした中、DNPは、効果検証を短期間かつ安価で実施できる導入支援サービスを開始。現場でRFIDを導入するためのPoCを簡易に実施できるようにするために、システム・機器の貸し出しと、現場でのRFID読み取り環境構築のノウハウを提供し、2つのアプリを用いて検証・評価レポートの作成を支援する。

 RFIDの読み取りを検証評価する「RFID読取評価アプリ」では、ハンディリーダライタ、据え置き型リーダライタの2タイプの機器を使用して、①RFIDとバーコードとの読み取り速度を比較し、導入効果試算に役立つデータを作成、②RFIDの貼付位置やリーダライタのアンテナの位置の違いによる読み取り速度の差を比較し、最適なRFIDタグの貼付位置や、アンテナ設置位置などを導出、③RFIDを貼付した複数の商品の同時読み取り状況を可視化し、最適な商品の積み付け方を導出、の3つの機能を提供。一方、クラウドサービスである「サプライチェーン業務系アプリ」では、製品の入荷・出荷・棚卸の結果を可視化し、ステータス管理が行える。

 今後、DNPは同サービスにより、企業のRFID導入のサポートを通じて、様々な業種・業態でサプライチェーン全体の最適化・スマート化を推進し、生活者を豊かにする社会の構築に貢献していく。