東ソー ウレタン原料TDI、生産と販売を23年に停止

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2021年10月11日

 東ソーは8日、ウレタン原料であるトリレンジイソシアネート(TDI)の生産と販売の停止を決定したと発表した。2023年4月にTDI製造設備(年産2万5000t)を停止し、TDIモノマーおよびTDI誘導品(トリマー、接着剤、熱硬化樹脂など)の販売を停止する予定。

 同社は、1962年に旧日本ポリウレタン工業の南陽工場でTDIの製造を開始し、半世紀以上にわたり事業展開を行ってきた。これまで継続的に収益改善策を実施してきたが、近年は事業を取り巻く環境がより一層厳しさを増している。同社は、今後も事業環境が好転する可能性がないと判断し、TDI事業の継続を断念した。

ウレタンMDI スポット市況は高止まりで推移

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2021年9月16日

定修やトラブルで需給タイト、足元は軟化傾向に

 ウレタン原料であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)は、アジア地域で大型プラントの定修が行われていたことに加え、欧米地域のトラブル要因などが重なったこともあり、市況が再び高値圏で推移している。

 足元の市況は、モノメリック2750ドル、ポリメリック2550ドルとなっており、6月上旬に比べモノメリックで350ドル程度、ポリメリックで450ドル程度も上昇している状況だ。ベンゼンとのスプレッドについても、

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ウレタンMDI アジアのスポット市況は再び高騰

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2021年3月17日

米国寒波で複数プラントが停止、需給がタイト化

 ウレタン原料であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)は、2月に米国で発生した寒波によるプラント停止の影響が波及し、アジアのスポット市況が急騰している。足元の市況はモノメリック3400ドル/t、ポリメリック3300ドル/tとなっており、特にポリメリックはトラブル要因などで高騰した昨年11月の水準以上になっている状況だ。

 MDIは昨年、コロナ禍の影響を受けた4-6月期の需要は大きく減退したものの、中国の経済活動の再開に伴い、年後半には回復傾向を強めた。こうした中、大手メーカーの稼働調整や定修要因に加え、欧米メーカーにトラブルが発生したことにより、秋には需給バランスが一気にタイト化。低迷していた市況が、11月には、モノメリックで3500ドル/t、ポリメリックは2700ドル/tにまで急騰した。その後、定修やトラブルといった要因が解消されたことで、1月にかけて市況は弱含みとなった。 

 しかし、2月に入り、石油・石化プラントが集積しているテキサス州やルイジアナ州に大寒波が襲来。停電や断水などが発生したことで各社のプラントも停止を余儀なくされ、MDIメーカーも供給が困難になったことからフォースマジュールを宣言した。この事態を受け、中東メーカーなどがアジアに輸出していた玉を欧米地域に振り替えたため、アジア市場が再びタイト化しスポット市況が急騰する結果となっている。また今回は、断熱用途などに使用されるポリメリックが騰勢を強めた。MDIはモノメリックとポリメリックが併産されるが、保存期間が短いモノメリック見合いの生産となる。そのため、供給不足を懸念した需要家がポリメリックを買い増しているようだ。

 一方、原料ベンゼンとのスプレッドは拡大傾向にある。ベンゼンも年明けから上昇基調となり、3月のアジア価格(ACP)は、前月比95ドル高の855ドル/tとなった。これを踏まえたスプレッドは、モノメリックで2500ドル程度、ポリメリックで2400ドル程度となり、4-12月期(モノメリック1300ドル程度、ポリメリック1100ドル程度)に比べ大幅な改善となる。MDIメーカーにとっては、想定以上に収益が改善していると言えるだろう。

 今後についても、しばらく市況が崩れるとの見方は少ない。寒波影響によるFM宣言は解除されてくるものの、正常稼働に戻るまでには時間が掛かることに加え、中国では春の需要期を迎えることから、需給タイトが続く見通し。とはいえ、MDIの各メーカーが稼働を高めてくる可能性や、コロナの状況次第では需要が落ち込むことも想定される。近年、MDI市況は外部環境によって変調しやすくなっており、今後の市場動向に注目が集まりそうだ。

 

ウレタンMDI 足元でスポット市況が大幅上昇

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2020年10月21日

中国で需要が急増、海外トラブルでタイト感強く

 ウレタン原料であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)は、中国需要の急増と海外トラブルによる域外品の減少を背景に、ここにきて市況が上昇基調を強めている。足元の市況を見ると、モノメリックは2700ドル/t、ポリメリックは2200~2300ドル/tで取引されており、8月末に比べモノメリックで1000ドル/t程度、ポリメリックで600~700ドル/t程度と急騰している状況だ。

 コロナ禍を脱した中国では、政府の景気刺激策もあり、家電や住宅の需要が急速に回復。それらに使用されるウレタン断熱材の需要が伸長し、その原料となるポリメリック市況が上昇傾向を強めた。ただ、幅広い用途に使用されるモノメリックは、製品の需要回復が遅れ市況が低迷。MDIはモノメリックとポリメリックが併産されるため、全体の生産量を抑える要因となっていた。

 しかし、中国では経済活動の再開に伴い、コロナ禍の反動による「リベンジ消費」が拡大。消費者の購買意欲が高まり、モノメリックを原料としたウレタン製品の引き合いが急増しているもようだ。また、欧米のウレタンメーカーにトラブルが発生したことも背景に挙げられる。アジア市場への玉の流入が弱まり、需給バランスがタイト化したことで、需要家の間で玉を確保する動きが加速。これらの要因により、わずか1カ月の間にモノメリック、ポリメリックとも市況が大きく押し上げられる結果となった。

 こうした中、MDIのスプレッドも大幅に拡大している。原料であるベンゼン価格(ACP)は、

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ウレタンMDI スポット市況が回復基調を継続

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2020年9月11日

断熱材向けに需要が増加、定修要因で供給も減少

 ウレタン原料であるMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)は、2Q(4-6月期)で需要が底を打ち7月から事業環境が改善傾向となっている。足元の市況は、モノメリックは1700ドル/t弱、ポリメリックは1600ドル/t前半で取引きされており、5月末に比べモノメリックで150ドル程度、ポリメリックで300ドル程度上昇している状況だ。

 いち早くコロナ禍から脱した中国では景気の回復が継続。消費者の間では、政府の補助金などを背景に「リベンジ消費」と呼ばれる消費行動が拡大し、家電製品や住宅を購入する動きが強まった。そのため、それらに使用されるウレタン断熱材の需要が伸長し、その原料となるポリメリックの引き合いが増加している。

 ただ、MDIは、モノメリックとポリメリックが併産されるため、どちらかを多く生産することは難しい。エラストマーや弾性繊維に使用されるモノメリックは、最終製品の市場回復がやや遅れており需要見合いの生産となっている。これにより、ポリメリックの生産量が限られことが市況上昇につながった。また、定修などで供給が絞られたことも大きな要因だ。

 大手メーカーの万華化学の煙台プラント(60万t)が7~8月にかけて定修に入ったことに加え、中国以外のプラントでも定修やトラブルが発生。もともと海外大手メーカーは、市況を維持するため稼働調整を行っているが、さらに供給が絞られたことで市場にタイト感が出ようだ。

 こうしたことから、MDIのスプレッドも良好に推移している。原料であるベンゼン価格(ACP)は、2Q(4-6月期)に急落した後、3Q(7-9月期)に再び上昇している。ただ、MDI市況の上昇分でカバーできており、メーカー各社にとって収益に大きく貢献している状況だ。

 今後については、需給バランスの動向が注目される。中国で内需が盛り上がりつつある中、輸出市場が本格化に回復してくればMDI全体の需要の底上げが期待できる。とはいえ、各社の定修が明けてくることや、市況上昇で稼働率が高まることも想定され、供給量の増加が市況の上値を抑える懸念もある。いずれにせよ、市場の本格的な回復にはコロナ禍の収束が大きなカギを握っており、MDI市況はこの先も予測が難しい展開が続きそうだ。