カネカの3月期 コロナ問題の影響を受け減収減益に

,

2020年5月15日

 カネカは14日、2020年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年度比3%減の6015億円、営業利益28%減の260億円、経常利益36%減の202億円、純利益37%減の140億円となった。

 4―12月期までは自動車、エレクトロニクス分野の需要不振の影響を強く受けた。1―3月期になり主力事業の数量拡大による業績回復基調に転じたが、新型コロナウイルス問題の発生がそれを一時的に打ち消す形となっている。新型コロナウイルス問題の影響は全体として約30億円の利益押し下げ要因となった。

 なお、今年度の通期業績予想については、現時点で業績予想の合理的な算定が困難であることから、未定としている。

カネカ 「アビガン」の原薬供給で合意、7月供給開始

, , ,

2020年4月21日

 カネカはこのほど、富士フイルムと新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)向け抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」(一般名:ファビピラビル)の原薬を供給することを合意したと発表した。

 日本政府は、COVID‐19が拡大する中、効果が期待される「アビガン錠」の備蓄量を200万人分まで拡大することを決定し、富士フイルムは生産体制を拡充させ増産を開始した。カネカは、長年培った医薬品のプロセス開発力と製造技術、品質について高い評価を受けており、今回、メジャーサプライヤーとして原薬の供給を要請された。同社は迅速に供給をスタートすることが社会的使命と考え、設備投資、人員配置転換、生産計画調整により製造体制を整え、7月より供給を開始する。

 なお、同社グループ会社Kaneka Eurogentec(ベルギー)では、COVID‐19検査に使用されるPCR検査試薬の供給をすでにスタート。さらに高品質のmRNAやプラスミドDNA(核外細胞質中のDNA)などの技術を用いたCOVID‐19ワクチン向け受託製造も強化し、旺盛な引き合いに対応している。

 同社はCOVID‐19に対する課題解決を通じ、人類の健康維持に貢献する考えだ。

カネカ 低温保持時間が2倍の低温輸送パッケージを発売

, , ,

2020年4月20日

 カネカはこのほど、グループ会社の玉井化成(北海道小樽市)が、真空断熱材(VIP)を採用し定温保持時間を約2倍に延ばした新製品、定温輸送パッケージ「TACPack Premiumシリーズ」を4月から販売開始すると発表した。

シリカ粉体系VIP
シリカ粉体系VIP

 医薬品の輸送時の温度管理は、2018年に国内版GDPガイドライン(流通上の品質確保と偽造薬の流入防止を目的に、適切な管理方法を定めたもの)が制定され、厳格化されている。

 発泡ポリスチレン系断熱容器を使用する製品では、夏期の冷蔵温度帯の保持時間に限度があり、長時間輸送に対応できなかった。新製品は、主流のグラスウール系と比べ、内部圧力上昇による熱伝導率性能の劣化が少ない、シリカ粉体系VIPとカネカ潜熱蓄熱材「PATTHERMO」を組み合わせることで、パッケージ内部の温度を長時間保持し、定温保持時間を従来品の約2倍に延長させた。

 なお、カネカと玉井化成が共同開発した「PATTHERMO」は、物質が固体~液体に状態変化する際に、融解・凝固点付近に温度が維持される特徴を利用。マイナス50℃~プラス37℃の範囲で15種類の製品をラインアップしている。

 カネカは現在、新たな潜熱蓄熱材の開発も進めており、引き続き「TACPack Premium」シリーズを拡充し、市場開拓を加速させる。そして、温度管理ソリューションの提供を通じて医療や生活の質の向上に貢献する考えだ。

カネカ ベルギーで新型コロナ用PCR検査試薬の供給を開始

, , , ,

2020年4月8日

 カネカはこのほど、ベルギーのグループ会社カネカユーロジェンテック社(リエージュ州)が、新型コロナウイルス検査に使用されるPCR検査試薬の生産を強化し、供給を開始したと発表した。ベルギー政府の要請に応じたもので、ベルギー国内と近隣国の病院や検査機関、研究機関などに対し、初回分として約20万回分に相当するPCR検査試薬の供給を始めた。

PCR検査試薬「Takyon」
PCR検査試薬「Takyon」

 ベルギーのナミュール大学は、特殊な装置専用試薬を使用しない簡便な検出法の開発に成功し、同国連邦医薬保健製品庁により新型コロナウイルス検査法として承認された。この検査にカネカユーロジェンテック社のPCR検査試薬「Takyon」が採用されたことから、今回のベルギー当局からの供給要請となった。

 さらにカネカユーロジェンテック社は、高品質のmRNAやプラスミドDNAの世界トップクラスの技術を持つことから、製薬企業やバイオベンチャーが開発を加速している新型コロナウイルスワクチン向けmRNAやプラスミドDNAのGMP(適正製造規範)受託製造を強化し、旺盛な引き合いに対応していく。

 カネカは新型コロナウイルスに対する課題解決を通じ、世界の健康に貢献していく。

 

カネカの4-12月 販売減などで減収減益、通期予想を下方修正

,

2020年2月13日

 カネカの2020年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比3%減の4525億円、営業利益は同29%減の189億円、経常利益は同34%減の151億円、四半期純利益は同37%減の92億円。アジア・欧州での需要の鈍化、自動車産業やエレクトロニクス産業の低迷の影響により、主にMaterial Solutions Unitを中心に販売減・利益減となった。

 Material Solutions Unitでは、Vinyls and Chlor‐Alkaliは、中国経済減速の影響でか性ソーダの市況低迷が続いている。塩化ビニル樹脂・塩ビ系特殊樹脂は国内の市況は低迷したが、インドなど海外の需要が堅調に推移して販売は増加した。

 Performance Polymersのモディファイヤーは、米中貿易摩擦による国内外の需要減と貿易量の減少の影響を強く受けた。変成シリコーンポリマーについては、欧州では販売が堅調に推移し、ベルギーの能力増強設備が収益に貢献した。

 Quality of Life Solutions UnitのPerformance Fibersは、アフリカ市場拡大が顕著で、先進国でも新しい需要開拓が進んだ。Foam&Residential Techsはスチレン系発泡樹脂と押出ボードで薄物高断熱などの新規商品の投入を進め、需要の拡大とともに収益が増加した。発泡ポリオレフィンはグローバルな需要が拡大した。

 Health Care Solutions Unitでは、高機能カテーテルなど新製品の販売が国内外で拡大した。Nutrition Solutions Unitは、Foods&Agrisで大手製パンやコンビニ、食品メーカーへの積極的な提案型営業が拡販をドライブし収益を伸ばした。

 通期の連結業績予想については、コロナウイルス問題の影響もあり下方修正した。売上高は前期比2%減の6100億円(前回予想比150億円減)、営業利益は同22%減の280億円(同40億円減)、経常利益は同28%減の225億円(同35億円減)、当期純利益は同30%減の155億円(同25億円減)の見通しとなった。

カネカ シースルー太陽電池が国立競技場に採用

, ,

2020年2月7日

国立競技場内観(大成建設提供)
国立競技場内観(大成建設提供)

 カネカはこのほど、高効率結晶系シースルー太陽電池が国立競技場に採用されたと発表した。

 今回採用されたシースルー太陽電池は一般建築物の天窓や窓などの開口部向けに開発。透明のガラス窓のような意匠を備えつつ太陽光で発電し、採光性と眺望性が確保される。ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)に貢献する創エネルギー技術として、環境経営やBCPを強化する企業、公共施設などに積極的に提案しており、採用検討が進んでいる。

 同社は住宅向け太陽光発電システムに加えて、住宅以外の建物や高層ビルなどの建築物の壁や窓などのあらゆる箇所に設置でき、建築物デザイナーの意匠要求にも応える独自の太陽電池製品を開発していく。今後も、独自の太陽電池製品と設計提案、工法提案を強化し、環境・エネルギー問題へのソリューションを提供していく考えだ。

カネカ・大成建設 外壁・窓で発電する外装システムを共同開発

, , ,

2019年12月25日

 カネカはこのほど、大成建設と共同で、建物の外壁や窓と一体化させた太陽電池モジュールで発電する外装システム「T‐Green Multi Solar」を開発した。同システムは、高い発電効率に加え、採光・眺望・遮熱・断熱の各機能と意匠性を備えるとともに、災害時には独立した非常用電源としても機能する。導入イメージ(中・小規模ビルの外装)

 近年の環境意識の高まりを受け、SDGs(持続可能な開発目標)などへの取り組みの一環として、再生可能エネルギー導入による環境負荷低減を進める企業が増加。また、近年多発している自然災害とそれにより引き起こされる長時間停電への対策として、BCP(事業継続計画)やLCP(災害時の居住継続機能)の観点からも、自立電源を確保するニーズが高まっている。

 しかし、建物の屋上などは設置スペースが限られているため、太陽光発電設備の導入拡大が困難となっていた。こうした中、大成建設は技術センター内のZEB実証棟を拠点に、外壁など外装を利用した太陽電池ユニットを開発・適用し、発電性能の検証・改善などに取り組んできたが、発電効率の向上と意匠性の両立が課題となっていた。

 そこで、両社は、大成建設の建材一体型太陽電池の設計施工ノウハウと、世界最高効率の発電モジュール製造技術を持ち、住宅分野で高性能な瓦一体型太陽電池の導入実績を持つカネカの太陽電池モジュールを組み合わせることで、外壁・窓で発電する多機能で意匠性を備えた外装システムを開発した。

 今後、両社は、都市型ZEBを実現する創エネルギー技術として、環境経営に積極的に取り組む企業、BCPを強化する企業、災害時の活動拠点となる公共施設、LCPを強化したい集合住宅などに対し、同システムを積極的に提案していく考えだ。

カネカ 生分解性ポリマーの年産5千tプラントが竣工

, , ,

2019年12月24日

 カネカはこのほど、高砂工業所(兵庫県)での「カネカ生分解性ポリマーPHBH」の能力増強工事を予定通り終え、17日に竣工式を行った。なお、投資額は約25億円で、生産能力は従来の5倍となる年産約5千tとなった。

竣工した新培養槽
竣工した新培養槽

 近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が生態系へ影響を与えるとして世界的な社会問題となっている。同社が開発した100%植物由来のバイオポリマーである「PHBH」は、海水中で生分解する認証を取得しており、海洋汚染低減に貢献すると期待されている。

 また米国食品医薬品局(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会、欧州委員会のポジティブリストに掲載され、食品接触用途で使用可能となる国や地域が拡大している。欧州では、使い捨てプラスチック削減に向けて各種規制が強化されており、特にフランスでは来年1月から規制が厳格化され、「PHBH」の販売が急拡大する見込み。

 一方、国内では、セブン‐イレブン・ジャパン全国約1万店舗で、11月からセブンカフェ用「PHBH」製ストローの採用が始まっており、また、資生堂とは化粧品容器の共同開発を行っている。さらに、グローバル展開している多数のブランドホルダーともストロー、レジ袋、カトラリー、食品容器包装材など幅広い用途で検討が進んでおり、年産5千tプラントは早期にフル稼動になる見通し。

 同社は、今回の生産能力増強にとどまらず、今後もグローバル規模で拡大する需要にタイムリーに応えるため、早期に本格的量産プラントの建設を決定する見通しだ。

カネカ くも膜下出血治療用の脳動脈瘤塞栓コイルを発売

, ,

2019年12月4日

 カネカはこのほど、血管内治療に用いる医療機器である脳動脈瘤塞栓コイルの新製品「i‐EDコイル」を開発し、先月から日本での販売を開始したと発表した。同製品は、カテーテルの中を通して動脈瘤内に送り込み、動脈瘤に血液が入らないようにする。

塞栓コイル(i-EDコイル) 
塞栓コイル(i-EDコイル)

 脳動脈瘤とは脳の動脈に発生するこぶで、破裂すると、致死率が高く極めて危険なくも膜下出血を発症する。治療方法としては、開頭して金属製のクリップで破裂した動脈瘤を挟み込むことで再出血を防ぐ外科治療や、カテーテルを使って血管の内側から破裂した動脈瘤内に塞栓コイルを詰める血管内治療がある。

 最近では、体への負担が少ないことから塞栓コイルを使う血管内治療の割合が年々高まり、くも膜下出血治療の第一の選択肢になりつつある。

 また、画像診断技術の発達により、未破裂の動脈瘤がくも膜下出血発症前に発見される事例が増えており、こうした未破裂の動脈瘤の破裂を予防するために、塞栓コイルを使う血管内治療が行われる割合も高まっている。

 同社は今回、塞栓コイルの原材料になる金属線の太さの最適化や構造の工夫などにより、コイルの柔軟性を世界最高レベルに高めた製品を開発した。同製品の使用により、動脈瘤内にコイルをより高密度に詰められるだけでなく、動脈瘤の壁の一部が突出したような不規則な形状の動脈瘤にも対応できることから、動脈瘤の破裂のリスクを低減できる。

 高齢化の進行、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の増加により、患者数はさらに増えることが予想される中、脳動脈瘤に対する治療効果の向上が期待されている。

 同社は今後も、塞栓コイルをはじめとする脳血管疾患用の血管内治療製品のラインアップ拡充を進めるだけでなく、診断や予防といった治療以外の領域に対するソリューションを提供することで、脳血管疾患への様々な課題の解決に貢献していく考えだ。

 なお同製品は、米国食品医薬品局(FDA)に申請中で、承認を取得後は米国でも販売を開始する予定。2023年にはグローバルでの売上高100億円を目指す。

カネカの4‐9月期 海外の需要鈍化など響き減収減益に

,

2019年11月13日

 カネカの2020年3月期第2四半期連結決算は、アジア・欧州での需要の鈍化、自動車産業やエレクトロニクス産業の低迷と円高の影響により、売上高が前年同期比2%減の2999億円、営業利益は同29%減の128億円、経常利益は同39%減の97億円、四半期純利益は同43%減の60億円。

 Material Solutions Unitは大幅な減収減益。Vinyls and Chlor‐Alkaliの塩化ビニル樹脂・塩ビ系特殊樹脂は、インドなど海外の需要が堅調に推移。か性ソーダはアジア市況の低迷が続いており、同事業減速の大きな要因となった。

 Performance Polymersのモディファイヤーは世界経済の低迷による需要減の影響を強く受けた。変成シリコーンポリマーについては、昨年12月に稼働したベルギーの能力増強設備が収益に貢献した。

 Quality of Life Solutions Unitでは、Performance Fibersは米国などアフリカ以外の先進国でも需要開拓が進み収益力を牽引。Foam & Residential Techsは販売価格の転嫁を進め収益が大幅に改善した。

 発泡ポリオレフィンは世界的な貿易摩擦による市場の混乱を受け、自動車向け販売が減少した。E & I Technologyの超耐熱ポリイミドフィルムと超高熱伝導グラファイトシートは、スマートフォン市場の減速の影響を強く受けた。

 Health Care Solutions Unit Medical Devicesについては、高機能バルーンカテーテルや消化器用カテーテルなど新製品が販売の拡大を牽引し、国内・海外市場で販売が拡大した。Nutrition Solutions Unitは、Foods & Agrisで、大手製パンやコンビニ、食品メーカーへの積極的な提案型営業により収益を伸ばした。

 通期の業績予想については、Material SUを中心として、上半期の販売減・利益減の影響が残ることから下方修正した。売上高は前期比1%増の6250億円、営業利益は同11%減の320億円、経常利益は同17%減の260億円、当期純利益は同19%減の180億円を見込んでいる。