宇部興産 CPLの10月契約価格、前月比110ドル高

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2021年10月27日

電力制限で中国の稼働が低下、需給タイトが影響

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、10月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比110ドル高の2150ドル/tで決着した。9月は需給バランスが緩和したことで30ドル安となっていたのに対し、10月は一転して大幅な上昇となっている。

 その背景として、中国において電力制限や環境規制の強化により工場の稼働が低下し、国内供給やアジア各国への輸出が難しくなったことが挙げられる。アジア地域では、 “宇部興産 CPLの10月契約価格、前月比110ドル高” の続きを読む

宇部興産 CPLの9月契約価格、前月比30ドル安

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2021年10月4日

ベンゼン市況が軟化傾向、誘導品需要も弱含みに

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、9月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比30ドル安の2040ドル/tで決着した。前月まで4カ月連続でステイとなっていたが、2月以来7カ月ぶりの下落となっている。

 その背景として、高騰していた原料ベンゼンの市況が軟化してきたことや、アジア市場の需給バランスが緩和してきたことなどが挙げられる。

 スプレッドについては、

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宇部興産 CPLの8月契約価格、4カ月連続ステイ

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2021年8月23日

ベンゼン市況が調整局面、誘導品需要も弱含みに

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、8月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月と同額の2070ドルで決着した。これで5月から4カ月連続でステイとなっている。

 同社は、8月のベンゼンACPが一段高で決着したため、値上げを前提に交渉を進めていた。しかし8月に入ってからベンゼン市況が大幅に下落し、CPLのスポット市況にも先安観が出始めた。値下げ要求が強まったものの、粘り強く交渉した結果、前月の価格水準を維持したようだ。

 スプレッドについては、ベンゼン市況が上昇したため1005ドルに悪化。3月以降は1000ドル以上を確保できており、輸出環境は良好と言えるものの、9月以降もこのレベルを維持できるかが注目される。

 CPLのアジア市場は、繊維用途は夏場が衣料向けの不需要期に当たることに加え、エンプラ用途でも中国で自動車生産が落ち込むなど需要に力強さが見られていない。こうした中、中国メーカーは余剰となったナイロンチップを安値で輸出する動きを強めており、需給にタイト感がなくなりつつある。台湾大手メーカーは一部グレードで減産しているようだが、足元のスポット価格は2000ドルを割り込むケースも出てきているようだ。

 一方、中国・SINOPECは、7月(下旬決め)の契約価格について、前月比130ドル高(1000人民元高)の1871ドル(1万4900人民元)で決着した。需給の悪化から価格が落ち込んだ6月の1741ドル(1万3900人民元)に比べ大幅な値上げとなったが、これまでのベンゼン価格の上昇分を転嫁したと見られる。ただ、中国内でもベンゼン価格が弱含んできたため、8月の仮価格は、25ドル安(200人民元安)の1846ドル(1万4700人民元)で打ち出した。

 需給バランスが悪化している中国では、減産で価格の下落幅を抑えている。8月初旬の稼働率を見ると、CPLは75~76%となった。減産を強化した7月初旬(63%)からは上昇したが、7月の平均値(78%)からは弱含んでいる。ナイロンチップも65%(7月初旬66%)に下げており、特に汎用品は58%と低稼働が継続している。ヤーン(紡糸)は85%(同87%)と比較的高稼働だが、不需要期ということもあり低下傾向にある状況だ。

 9月のCPL価格については、調整局面になるとの見方が強い。ベンゼン価格が弱含んでいることに加え、需要面では懸念材料が出てきている。衣料向けでは、コロナ変異株の感染拡大によりナイロンチェーンの混乱が想定され、季節性がなくなる可能性もある。またエンプラ向けでは、先日、トヨタ自動車が減産を発表。生産計画は据え置くとしたが、自動車部品などに影響が拡大するとの指摘もある。いずれにせよ、今後の市場動向を注視していく必要がある。

 なお、宇部興産の各工場については、宇部工場のトラブルはすでに解消。タイとスペインを合わせ3工場はすべてフル稼働を継続している。

 

宇部興産 CPLの7月契約価格、3カ月連続ステイ

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2021年7月21日

需給タイトがやや緩和も、ベンゼン市況が再上昇

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、7月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月と同額の2070ドル/tで決着した。これで5月から3カ月連続でステイとなっている。これまでアジア市場では、台湾大手メーカーのトラブルや定修により、ひっ迫感が続いていた。こうした中、ようやく台湾メーカーが稼働を再開してきたことで、ややタイトのレベルまで需給バランスが改善している。ただ、

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宇部興産 CPL6月契約価格、前月と同額で決着

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2021年6月18日

ベンゼン市況軟化も、需給タイトが価格を下支え

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、6月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月と同額の2070ドル/tで決着した。

 6月のベンゼンACPが前月比25ドル安の970ドル/tに弱含んだことに加え、主要な輸出先である台湾市場は長引いていた定修が終了し稼働が再開してきたこともあり、需要家の買い気配は以前に比べ強くない。しかし、域外品の流入も少なく需給タイトが継続していることから、ロールオーバーとなっている。スプレッドについても、

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宇部興産 CPL5月の契約価格、前月比120ドル高

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2021年5月20日

原料ベンゼン価格高騰を反映、需給タイトも継続

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、5月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比120ドル高の2070ドル/tで決着した。主要な輸出先である台湾市場は、大手メーカーの生産トラブルや定修に加え、域外品の流入も少ないことから、需給タイトが継続している。

 こうした中、5月のベンゼンACPは

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宇部興産 CPLの4月契約価格は前月比50ドル高

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2021年4月23日

需給タイトが継続、定修やトラブル発生が背景に

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、4月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比50ドル高の1950ドル/tで決着した。同社は、2月には設備トラブル、3月にはアンモニア不足といった要因で安定供給が困難となり、台湾の指標価格での取引が続いていた。今回、こうした要因が解消し生産体制が正常化したことで、3カ月ぶりに契約価格が成立している。

 主要な輸出先である台湾市場は、同国内で生産トラブルが続いたことに加え、原料ベンゼンをはじめとする原料価格の高騰や物流費の上昇などが反映され、3月は300ドル以上も急騰した。これに加え、台湾大手メーカーが定修を予定していたこともあり、4月の契約価格は一段高となっている。スプレッドは、 “宇部興産 CPLの4月契約価格は前月比50ドル高” の続きを読む

宇部興産 CPL3月の契約価格は1900ドルに

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2021年3月19日

 アンモニア不足が影響、タイ工場から供給できず

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、3月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比330ドル高の1900ドルで決着した。

 大手メーカーの生産トラブルが続き需給がひっ迫している中、原料ベンゼンをはじめとする原料価格の高騰や、コンテナ船不足による物流費の上昇などが反映され、前月から急騰する結果となった。ただ、同社は前月と同様に今回も特殊事情により交渉を断念し、指標価格として提示している。その背景として、タイ工場が原料アンモニア不足で稼働が低下し、出荷が見込めなくなったことが挙げられる。

 2月は、宇部工場が、国内アンモニア工場のトラブルで生産停止を余儀なくされ、

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宇部興産 CPLの2月契約価格は前月比30ドル安

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2021年2月25日

トラブル要因が背景、原料高・需給タイトは継続

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、2月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比30ドル安の1570ドル/tで決着した。下落したのは昨年8月以来の6カ月ぶりとなる。

 今回の下落は、

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宇部興産 カプロラクタム(CPL)の1月価格は前月比190ドル高

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2021年1月21日

アジア地域で需給タイト、中国も厳冬で玉確保に

 宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、1月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比190ドル高の1600ドル/tで決着した。昨年9月以降から上昇基調を強めていたが、1月はさらに大幅上昇となり、2019年6月以降で最高値を記録する結果となった。

 中国では自動車の生産が本格的に回復し、ナイロンが使用されるタイヤコードや高機能部材の需要が旺盛となっている。こうした中、原料メーカーのトラブルで一部のCPLメーカーの生産が低迷し需給バランスがタイト化したことが、価格を押し上げる要因となった。これに加え、世界的な製油所の稼働低下により原料であるベンゼン価格が高騰していることも、先高観につながっている。スプレッドについても、 “宇部興産 カプロラクタム(CPL)の1月価格は前月比190ドル高” の続きを読む