BASF シンガポールに新拠点、作物保護製品を生産

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2020年2月6日

 BASFはアジア太平洋地域での農業ソリューションビジネスのための新しい地域生産拠点をシンガポールに立ち上げた。2021年第3四半期に完成予定で、6つの異なる製剤技術を扱うように設計されている。

 同社の特許取得済みの作物保護製品を、成長著しいアジア太平洋地域の生産者に供給する計画。本格稼働時には年間700万ℓ相当の生産能力を持ち、これにより2000万haの圃場をカバーできる。

 また、同施設で25人以上の従業員を雇用する。アジア太平洋地域の米や果物、野菜といった主要作物の生産者が、より持続可能な方法で害虫を駆除しながら、収穫高を高めることができる技術革新に取り組む。

 これらには、同社の新しい有効成分である農業用殺虫剤「Inscalis(インスカリス)」と殺菌剤「Revysol(レヴィソル)」をベースにした作物保護製品が含まれており、持続可能性を踏まえ、有効な方法で害虫や病害をコントロールできるようになる。これら2つの有効成分を含む製品と、研究開発パイプラインから間もなく発売されるいくつかの製品は、同拠点で生産される。

 新生産拠点をシンガポールとした理由について、同社では既存のインフラを活用することで、比較的早く生産に着手できることと、アジア太平洋地域の多くの市場と自由貿易協定を締結するなど、世界トップクラスの物流拠点としての地位を築いていることを挙げている。

デンカ シンガポールでMS樹脂増産、PS生産設備を転用

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2019年9月10日

 デンカは9日、シンガポール連結子会社DSPLのポリスチレン(GPPS「Denka Styrol」)の生産を停止し、生産設備の改造によりMS樹脂の能力増強を行うと発表した。同設備改造に伴う投資額は約27億円。2021年上半期の稼働を予定しており、PSの販売は20年末に終了する。

 MS樹脂は液晶TVやモニターの大画面化・狭額縁化により需要が急増しているバックライト用導光板をはじめとした光学用途や、中国を中心としたアジア太平洋地域で成長著しい化粧品用容器などの非光学用途の拡大もあり、現在供給能力が不足している状況だ。

 同社はMS樹脂のリーディングカンパニーとして拡大する需要に対応するため、既存PS生産設備の改造によりMS樹脂の生産能力を倍増(増強後14万t)し、将来の需要拡大に対応するとともに、現在の1基生産体制を2基体制としBCP対応を強化する。

 同社は1997年にシンガポールで高強度GPPSである「MW‐1」を中心に、PSの生産販売を開始し、ASEAN、中国をはじめ世界30ヵ国以上で使われてきた。しかし、PSの海外市場は需要に対し供給が余剰であることから、今回PSの生産を停止し、より付加価値が高い機能樹脂であるMS樹脂の製造設備へ転換する。

 同社は、経営計画「Denka Value‐Up」で事業ポートフォリオ変革を進めており、2022年度の営業利益に占めるスペシャリティー化率90%を目標に掲げている。今後も将来需要に対応した投資を迅速に行い、基盤事業のさらなるスペシャリティー化を目指す。

三井化学 シンガポールにα‐メチルスチレン設備を新設

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2019年1月17日

 三井化学はこのほど、シンガポールにある子会社・Mitsui Phenols Singaporeのジュロン島内の工場に、「α‐メチルスチレン(アルファメチルスチレン)」の生産設備を新設すると発表した。生産能力は2万t/年。2020年5月の完工を予定している。

三井化学市原工場のフェノールプラント 文中
三井化学市原工場のフェノールプラント

 α‐メチルスチレンは、フェノールを生産する際に副生する芳香族化合物で、精製して樹脂や添加剤などの原料に使用される。需要は世界経済の成長を背景に堅調に伸びており、特にABS樹脂などの高機能化ニーズに対応する用途が拡大しいる。

 三井化学は現在、市原工場と大阪工場で計35000t/年となる世界トップクラスの生産能力を有しており、シンガポールでの精製・生産を加えることで、安定的なグローバル供給体制を構築していく。

 同社は今後も、日本・シンガポール・中国の三ヵ国を拠点とし、世界で存在感のあるフェノールチェーン事業のいっそうの強化・拡充を進めていく考えだ。