ダウ 世界規模の海洋プラスチック防止活動へ投資

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2018年12月18日

 ダウはこのほど、プラスチックごみの環境への混入防止・是正を図るため、新たなグローバル・イニシアチブとソリューションへ、さらに投資し発展させていくことを発表した。このイニシアチブは、インドネシア・バリ島で開かれた「アワ・オーシャン(Our Ocean)会議」に併せて発表されたもの。

 同社はペプシコやプロクター&ギャンブルなど、他の主要な世界的企業とともに、海洋プラごみを防止する企業とインフラを育成・資金支援するために、創設投資家として投資管理会社「サーキュレート・キャピタル」の活動に取り組む。

 また同会議でダウは、東南アジア諸国での廃棄物回収とリサイクルを支援するために、今後2年間でさらに100万ドルを「オーシャン・コンサーバンシー」へ寄付することも発表した。この資金は、実現性を伴うソリューションを開発・拡充・展開するために、現地のNGO(非政府組織)の能力拡大プロジェクトや、都市部のリーダーとのパートナーシップ構築に向けたプロジェクトに活用される。

 サーキュレート・キャピタルの活動は、廃棄物管理とリサイクル業界に対する投資の有効性を立証することを目的としている。機関投資を促すことで、南アジアや東南アジア全体へ、同業界での統合型の企業とインフラが広がる可能性を高めていく。同地域は、廃棄物問題を管理するために不可欠なインフラが欠如しており、地域の規模以上に海洋プラスチック汚染を発生させていると考えられている。

 サーキュレート・キャピタルの投資モデルでは、リスクを軽減すると同時に、資源回収業界への投資が最終的に魅力的な投資リターンを実現できることを立証するために、譲許的資金や、慈善事業と相場の投資資本を融合させた財務構造を通して、機関投資家の資本を調達することを目指している。サーキュレート・キャピタルは、世界を代表する様々な消費者向け包装品会社と化学会社から、総額1億ドルを調達することを見込む。

 また、「オーシャン・コンサーバンシー」は、今日最大の世界的課題から海洋を保護するために取り組む組織。各地のパートナーとともに、健全な海洋やその環境に依存する野生動物とコミュニティーのために、科学に裏付けられたソリューションを生み出している。

 

 

ダウ LDPE樹脂のポートフォリオをアジア地域で拡張

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2018年12月3日

 ダウは30日、パッケージング・アンド・スペシャルティープラスチック事業部(P&SP)が、アジア太平洋地域でのパッケージングの課題への新しいソリューションとして、「AGILITY(アジリティー)」パフォーマンスLDPE樹脂のポートフォリオを拡張したと発表した。これにより、低速から中速度での薄型押出コーティングが可能になる。

 アジリティーEC7030パフォーマンスLDPE樹脂は、ダウ独自の次世代チューブラー法LDPEの新特許技術を基にした、アジア太平洋地域でのオートクレーブ法からチューブラー法への押出技術の移行に沿う新製品。この新しいグレードは、現行のアジリティー製品ファミリーを補完するもので、さまざまなライン速度とエンドユースに対応するソリューションを提供することが可能になった。

 アジリティーパフォーマンスLDPE樹脂は、従来のオートクレーブ法によるLDPE樹脂の性能条件を上回る。既存の製造設備の老朽化が課題となっているオートクレーブ法LDPEに持続可能な長期的ソリューションを提供する一方、軽量コーティングによる効率性の向上を実現する。

 アジリティーパフォーマンスLDPE樹脂の初期のグレードは、一般的に高速ライン向けに設計されており、無菌パッケージなどによってハイエンドな用途向けに適用されてきた。

 アジリティーEC7030の用途には、スナック包装、食品・薬品用小袋、ラミチューブ、紙コップ、医薬用パッケージ、液体用大型容器、剥離紙、防水シート/繊維織物、ジオメンブレンなどがある。