中外製薬とアルベルトはこのほど、製薬業界向けデータサイエンティスト(DS)育成プログラムを共同で開発したと発表した。中外製薬が今年4月よりスタートしたデジタル人財育成プログラム「CHUGAI DIGITAL ACADEMY(CDA)」の取り組みの1つとして、医薬特有要素を含むデータ利活用スキルの習得によるDXの推進を目指し、同社グループ社員を対象に6月から展開している。
ヘルスケア産業では、予防医療や診断支援、個別化医療、新たな治療法・新薬の開発、健康寿命の伸長など、様々な分野でデータ分析・AIの活用が期待されている。データの高度な解析技術や統計の専門スキルをもった人財の育成が重要な課題だが、製薬業界特有のスキルも必要となる。
中外製薬は基本戦略のひとつに「デジタル基盤の強化」を掲げ、デジタル人財育成の体系的な仕組みCDAを今年4月からスタート。これにより社内デジタル人財の育成強化に取り組むとともに、社外還元による採用力強化・外部との連携促進、エコシステム形成を目指している。
一方、アルベルトは250名を超えるDSが在籍。社内人財育成で培ったノウハウを活用し、また現役のDSが講師を務めることで、より実践的なプログラムである「DS育成支援」を各産業に提供し、さらに、業界特化型の育成プログラムの構築にも取り組んできた。今回、両社は製薬業界向けDS育成プログラムを共同で開発し、DSの育成に強みをもつアルベルトの支援の下、中外製薬はDXを推進する人財の育成を強化していく。
今後、アルベルトは引き続き中外製薬グループのデジタル人財基盤の強化に取り組むとともに、共同開発したプログラムの外部提供の可能性も見据え、外部コミュニティとの連携や人財交流など製薬業界におけるDX推進を志す人々が広く活用できる仕組みづくりを目指す。