産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、産総研コンソーシアム「海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム」をイノベーション推進本部・標準化推進センターに設立した。
プラスチックごみによる海洋汚染問題に対し、官民連携した取り組みに向けた2019年策定の「海洋生分解性プラスチックの開発・導入普及ロードマップ」に示された新素材・代替素材の普及を、オールジャパンで促進することを目的とする。産業界が抱える技術課題やニーズを抽出し、産総研の技術・知見を活用した新材料・製品の社会実装に必要な標準化を推進し、持続可能な社会の実現と産業競争力の強化を図る。
新技術の普及と市場拡大には技術を共通利用するための国際標準化が求められ、製造、バイオテクノロジー、環境影響評価など業界を超えた知見が必要となる。新しい産業分野での標準化と規格の普及のため、ニーズ・シーズの探索や情報共有、議論の場を提供する。
発足当初は、産総研の生分解性プラスチックに関する合成・評価技術の普及と、今後の標準化ニーズや技術開発を主軸とした情報交換を図る。長期的には対象をサプライチェーンにも広げ、G20大阪サミットで共有された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の目標、2050年までに海洋流入ごみゼロの達成に向け、企業側が抱えるプラスチックに関連するSDGs課題を見据えた対応へ展開していく。
今後、生分解性プラスチックなどの製造や評価法に係わる企業、標準化団体、大学・公的研究機関の研究者の参加募集と、「海洋生分解性プラスチック標準化コンソーシアム設立記念講演会」を開催する予定。なお募集サイトを、標準化推進センター公式ページ(https://unit.aist.go.jp/spc/)上に開設する。