三菱ケミカル モスアイ型反射防止フィルムが腕時計に採用

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2020年4月14日

 三菱ケミカルは13日、同社が開発したモスアイ型反射防止フィルム「モスマイト」が、カシオ計算機が今月24日に発売する耐衝撃ウオッチ「G‐SHOCK GBD‐H1000」に採用されたと発表した。

“G SHOCK ”『 GBD H1000 』(画像提供:カシオ 計算機株式会社)
“G SHOCK ”『 GBD H1000 』(画像提供:カシオ計算機株式会社)

 太陽光発電素子と液晶モジュールにモスマイトを貼合することで光の反射を抑制し、ディスプレイの高精細化・高コントラスト化を実現している。

 同社が開発した「モスマイト」は、蛾の眼(モスアイ)が持つ微細な突起構造を模倣した反射防止フィルム。「モスマイト」の表面には高さ200㎚の突起が100㎚の間隔でフィルム上に並んでいる。この突起の幅が可視光線の波長よりも狭いことで、光の屈折率の変化が緩やかになり、光の反射を抑制する。

モスマイト の 拡大写真
モスマイト の 拡大写真

 一般的なガラスやプラスチックの表面は光の反射率が通常4~5%程度あるが、それらの表面に「モスマイト」を貼付すると反射率を0.1~0.3%にまで抑えることができる。その優れた光透過性から、これまでに車載ディスプレイや医療用モニター、サイネージ、額装などに幅広い分野に採用された実績があり、今後も用途が拡大することが見込まれている。

 三菱ケミカルは、引き続き同製品の新たな用途開発・市場開拓に向けて、国内のみならず、グローバルに事業を展開させ、さらなる拡販に努めていく考えだ。