出光興産と千葉県市原市は20日、地域の観光振興や産業振興などの地域創生に貢献する分野で連携・協力することを目的に、今月30日に包括連携協定を締結すると発表した。この新たな協定の下、同社で実証を進めている、超小型EVを活用したカーシェアリングサービス「オートシェア」を市原市内でも展開する。
今回の協定では、超小型EVやドローンなどの先進技術を活用した観光振興や地球温暖化対策、また防災分野での両者の連携を推進し、市原市の地域社会発展に貢献していく。連携の第1弾として、関連会社である出光タジマEVが提供する超小型EV「ジャイアン」を、小湊鐵道の上総牛久駅前に2台設置。市民や観光客の移動手段として、カーシェアリングサービスを提供する。
出光興産は、モビリティデータを活用したサービスを提供するスマートドライブおよび、位置情報ビッグデータと解析技術により地域活性化支援ソリューションを提供するナイトレイと協業し、地域の観光資源の最大化を図る取り組みを推進。今回の実証では、車両の位置データや観光客が発信するSNSデータを組み合わせることで、観光客の移動をスムーズにするための施策や、隠れた名所・観光スポットに誘導を図る施策などに活用し、市原市の観光振興に取り組む。
出光興産はカーボンニュートラル(CN)とSDGsの達成に向けた社会課題の解決に資する次世代事業の創出を重要な経営課題に位置づける。今月、次世代モビリティやモビリティサービスを開発する出光タジマEVを設立し、移動に関する社会課題の解決に取り組んでいる。一方、市原市は「SDGsのシンボルとなるまち」の実現を目指し、様々なステークホルダーと協力し、地域課題解決のための新たな仕組みの構築を進めている。
今後は同協定の下、超小型EVを活用した観光振興のみならず、超小型EVやドローンなどの先進技術を活用した物流や防災分野に向けた取り組みや、千葉事業所でのCNに関する取り組みを推進していく。