プリンテッド・エレクトロニクス製造技術の開発やサービス提供を行うエレファンテックはこのほど、表面処理に電解金めっき(ニッケル金めっき)を施した「P‐Flex PI」のサンプル提供を開始した。すでに量産採用に向けて検討を始めている顧客もあることから、年内をめどに顧客の評価を得て、迅速に対応していく考えだ。
「P‐Flex PI」は
2022年5月25日
2022年1月20日
2021年10月19日
積水化成品工業はこのほど、東北大学が開発に成功した、フッ素系樹脂粒子を水に分散できる「非フッ素系分散剤」のサンプル提供を開始したと発表した。
フッ素系界面活性剤は生態蓄積性や環境残留性が指摘され、欧州などで規制が強化されつつある。そのため、フッ素系界面活性剤を代替する非フッ素系分散剤が工業的に求められていた。
こうした中、東北大学材料科学高等研究所の藪浩准教授(ジュニアPI)は、ムール貝の接着現象に着想を受け、フッ素元素を含有しない代替分散剤の開発に成功。同研究の分散剤を用いることで、疎水性粒子を水に分散させる際に廃液へのフッ素元素の溶出がなく、生態や環境への負荷を低減した工業プロセスが実現できる。
同社は「テクポリマー」「テクノゲル」を中心とした高機能性ポリマー製品において環境貢献開発に注力しており、その一環として、今回の研究成果を技術導入し、非フッ素系分散剤の実用化を目指す。
非フッ素系分散剤の特長として、①ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子などの低表面自由エネルギー粒子を水に分散可能、②粒子表面を被覆することで水などの環境負荷の少ない多様な溶媒に分散可能、などがあげられる。
同社は、非フッ素系分散剤のサンプル提供を開始しており、製品化に向けた市場開発を進めていく。そして様々な分野に応用展開を進めることで、「環境リーディングカンパニー」として環境保全に積極的に貢献していく。
2021年6月29日
昭和電工は28日、樹脂と金属など異種材料を簡便かつ強固に接合するフィルムタイプの接合技術「WelQuick」を開発したと発表した。今月からサンプル提供を開始している。
近年、素材に対する軽量性や耐熱性、強度などのニーズは単一素材では解決できないほど高度化し、樹脂や金属などの異種材料を接合して複合化するマルチマテリアル化が進展。異種材料の接合には、液状接着剤やホットメルト接着剤による接着や、ボルトなどによる機械締結があり、接合強度とともに接着プロセスの簡便化や工程の短時間化が求められているが、その両立は困難だった。
今回開発した接合技術は、接着成分をフィルム形状にすることで、従来の反応型接着剤の液体塗布の手間を削減し、取り扱いを簡便にした上、フィルム材料の固体と液体間の相変化を利用することで、これまで数十分必要であった接着時間を数秒にすることを可能にした。
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロンなどの樹脂とアルミニウム、鉄、銅といった金属との接着に対応し、40通り以上の基材の組み合せで10MPa以上の高いせん断接着力を確認。また、接合スピードに優れた超音波溶着、金属に適用可能な高周波溶着、汎用性が高い加熱溶着など、顧客のニーズに合わせた溶着方法が利用できる。さらに、フィルム状態で常温での長期保管が可能なことに加え、溶着時にVOC(揮発性有機化合物)が発生せず環境への負荷を抑えられる。こうした特長から「WelQuick」は、顧客のコスト低減や製造プロセスの効率化によるCO2の排出量削減に貢献する。
同社グループは、無機・有機・アルミニウムに関する幅広い技術・素材をもち、それらを融合することで、マルチマテリアル化が進む様々な事業分野に新たなソリューションを提供し、カスタマーエクスペリエンスの最大化を目指していく。
2020年9月18日
王子ホールディングスはこのほど、パルプモールド製品「PaPiPress」のサンプル提供を開始したと発表した。海洋プラスチックごみ問題をはじめ環境問題に対する消費者の意識が高まり、プラスチック代替品として紙製品のニーズが高まっている。王子グループは、紙の立体成形技術を用いたパルプモールド製品の開発を進めてきた。
「PaPiPress」はパルプ100%で、土壌や海中で分解される環境に優しい製品。製造はすき上げ~プレス成型・乾燥まで一貫工程で行い、水分を保った状態でプレスするため、表面は従来のパルプモールドよりも滑らかで美しく、厚みも薄くて均一なため、オリジナリティある立体成型が可能。鉛筆やペンでの書き込みもできる。プラスチックのように自由な立体成型が可能なため、顧客ニーズに沿ったオーダーメイドパッケージも提供する。
今後も「廃棄プラスチックの削減」に貢献するため、新たな機能性を付与した「地球環境に優しい紙素材」を提案していく。
2020年8月7日
旭化成はこのほど、添加剤事業の強化拡大を図るため、事業化検討を行っている新規医薬品添加剤「ヒアルロン酸ナノゲル」について、工業的製造技術を確立し、性能評価のためのサンプルを提供できる体制を整えたと発表した。
同社の添加剤事業部では、医薬品などで主に錠剤の賦形剤として用いられる結晶セルロース「セオラス」を国内外で販売しているが、今後、注射剤用途に適したドラッグデリバリーシステム(DDS)基剤「ヒアルロン酸ナノゲル」を新たに製品ラインアップに加えることで、医薬品製剤の様々なニーズに幅広く対応していく意向だ。
同剤は、難溶性薬物の低毒性での可溶化や、タンパク質やペプチドといったバイオ医薬の凝集、変性を抑制することによる製剤化の実現、また頻回投与が必要な注射剤の投与回数削減など、患者のQOL向上が期待できる。
同剤の特徴として、ヒアルロン酸(HA)に、部分的にコレステロールが修飾されたヒアルロン酸誘導体であり、水中では、コレステロール同士の疎水性相互作用により自己会合し、ナノサイズのハイドロゲルを形成する。HA分子量やコレステロール修飾率の違いによって物性が異なり、現在同社は2種類のグレード(分散グレード、沈殿グレード)をサンプルとして取り揃えている。
薬物と混合するだけで、疎水性相互作用により、難溶性の低中分子化合物からタンパク質まで様々な薬物をナノゲル内に封入することができ、DDSに適した基剤として使用できる。主な機能として、薬物の徐放化、可溶化、凝集抑制、活性保持などがあり、顧客の目的に応じて最適なグレードの提案が可能だ。
現時点で同社は「ヒアルロン酸ナノゲル」の事業化を正式に決定していないが、今回のサンプル提供を通して、同剤が顧客の製剤開発に対する問題解決に貢献できることを確認した後に、正式に事業化していくことを目指す。同社は今後も、世界の人びとの〝いのち〟と〝くらし〝に貢献するため、様々な製品で顧客ニーズに応えていく考えだ。
2019年4月19日
王子ホールディングスはこのほど、廃棄プラスチック削減に貢献する、地球環境に優しいバリア性紙素材「SILBIO BARRIER(シルビオ バリア)」のサンプル提供を開始すると発表した。
同製品は、紙素材でありながら、外部からの酸素や水蒸気などの侵入を防ぎ、内容物の劣化を抑える高い酸素バリア性・水蒸気バリア性を有し、バリアフィルムの代替として使用できる。
食品から産業資材まで、バリア性が求められる幅広い包装用途に使用できるよう、原材料を厳選して設計。食品接触用途では、日本製紙連合会の自主基準に沿って開発を進めており、さらに、米国食品医薬局(FDA)の使用認可リストに収載された物質のみを使用した銘柄も準備している。
また、内容物の香りや水分を保つ機能に加え、再離解性(再度パルプへ戻る性能)をもつため、古紙として再利用することも可能だ。
王子グループは、イノベーション推進本部パッケージング推進センターを中心に、プラスチックに替わる、さらなる機能を備えた紙素材の開発を進めている。