出光興産 SPS樹脂を値上げ、副資材や加工費が高騰

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2022年6月22日

 出光興産は21日、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂「ザレック」について、7月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、一般グレードが「50円/kg以上」、難燃グレードが「60円/kg以上」。

 一昨年来、当該製品に使用している各種副資材の調達価格および加工賃の高騰が継続している。同社は、コスト低減に引き続き取り組んでいるものの、これらのコストアップは自助努力のみでは吸収することは難しいことから、値上げせざるを得ないと判断した。

 なお、想定した調達環境が大きく変動する場合は、値上げ幅を修正する可能性があるとしている。

出光興産 マレーシアで第2SPS製造装置の建設を決定

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2019年11月18日

 出光興産はこのほど、マレーシア パシルグダン事業所内にシンジオタクチックポリスチレン(SPS)樹脂「ザレック」の第2製造装置の建設を決定したと発表した。

 生産能力は年産9000t(コンパウンド品1万7000t相当)で、2022年4月に完工し同年8月の商業運転開始を予定している。今回の装置建設により、オンリーワン技術であるSPS樹脂の生産規模を現状の2倍に引き上げる。

 SPS樹脂は1985年に同社が世界初の合成に成功し、1997年に世界で最初の工業化を達成した純国産のエンジニアリングプラスチック。独自の技術により、「耐熱性(融点270℃)」「耐熱水性」「絶縁性」「電波透過性」に優れ、電気自動車を含む自動車関連部品、5Gをはじめとする高速通信機器のアンテナ部への採用などが進み、需要が拡大している。

 今回建設を予定しているパシルグダン事業所は、マレーシアでの石油化学製品製造拠点。SPSの原料であるSM(スチレンモノマー)などの調達に最適であること、また、今後需要の拡大が見込まれる東南アジアに位置していることから、同地での建設を決定した。