大王製紙 EVレース車の車体外装全体にCNFを実装

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2020年9月23日

 大王製紙はこのほど、セルロースナノファイバー(CNF)の事業化に向けた取り組みとしてモータースポーツチーム・SAMURAI SPEED(東京都港区)にCNFを使ったシート成形体「ELLEX‐M」を提供し、車体外装全体へ実装されたと発表した。

ELLEX-M
ELLEX-M

 「ELLEX-M」はCNFとパルプ繊維を複合化したCNF高配合のシート状成形体で、軽量で強度は汎用プラスチック材料を大きく上回り、熱特性にも優れる。

 SAMURAI SPEEDは、米国開催のレース「パイクスピークインターナショナルヒルクライム」(標高差1500m、全長約20㎞のタイムトライアルレース)に2018年から電気自動車(EV)で参戦。CNF部材の実用可能性を探るため、エアロパーツからリアドアやボンネットへと実装範囲を広げてきた。

CNF複合樹脂
CNF複合樹脂

 3年目の今年は、コンペティション能力向上のために新規にプロトタイプEVを製作。車両軽量化のために「ELLEX‐M」を外装全体(ボンネット、ドア、リア、サイド)と内装(インストルメントパネル)に、さらに「減プラスチック」効果が期待できるCNF複合樹脂をドアミラーに使用した。

 今回は新型ウイルスの状況を鑑みて参戦は見送ったが、今年度中に開催される他レースへの参戦を検討している。レースでのCNF部材の軽量化効果と耐久性を検証し、一般車両への応用展開を進めていく考えだ。