旭化成は31日、スチレンモノマーについて11月1日出荷分から値上げすると発表した。改定価格は「10円/kg以上」。
急激な円安の進行、原燃料価格高騰による製造コストの上昇、安定操業維持に必要な設備修繕コストの上昇などを受け、急速に事業環境が悪化している。こうした中、同社は、徹底した合理化、効率化に懸命に取り組んできたものの、自助努力の範囲を大きく超えていることから、安定供給ならびに事業継続を行なうために価格改定が不可避であると判断した。
2022年11月1日
2022年9月6日
2020年4月6日
コロナ影響が拡大、需要減少とベンゼン安が要因
合成樹脂や合成ゴムの原料であるスチレンモノマー(SM)は、アジア市況が500ドル台に急落している。原料ベンゼンとのスプレッドは一時期の100ドル台前半から200ドル前後に改善しているものの、事業環境は厳しさを増している状況だ。
SMが急落した背景として、誘導品需要の減少やベンゼン市況の軟化が挙げられる。新型コロナウイルス感染が中国国内に拡大したことで、物や人の流れが寸断。SMの主用途であるABS樹脂やポリスチレンなどの工場が、春節明けの稼働開始が遅れる事態となった。そのため休暇前に積み増していた在庫が消化できず、需給バランスが大幅に悪化している。
さらに原油価格の暴落に伴い原料ベンゼンの市況が急落したことも、SM市況の下押し要因となった。世界経済の減速懸念から下落していた原油価格は、3月に入りロシアを含めたOEPCプラスの協調減産が破棄されたことで暴落。それに連動し一気にナフサ安となり石化市況は弱含みの展開となった。
ベンゼン市況は、3月第1週は
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