三菱ケミカルは10日、スポーツ用の義足ブレード「Griffon Beak(グリフォン・ビーク)」の販売を、同日から開始すると発表した。三菱ケミカルホーディングスグループのシンクタンクである地球快適化インスティテュートが、三菱ケミカルと産業技術総合研究所、東京大学と共同開発した。
バイオメカニクスと計算工学に基づき、コンピューター上でアスリートの動作を再現できる「デジタルアスリート」を構築。さらに、2016年4月からスポンサーシップ契約を結んでいる、パラ陸上競技の前川楓(まえがわかえで)選手の協力を得て、走行データなどを組み合せることで、義足走者の速度を最大化する義足ブレードの形状を導き出した。
従来品に比べ、踵部分が後方に突き出していることが特徴の1つで、これにより前方への推進力が高まることが期待できる。この形状が鳥のくちばし(=beak)に似ていることが製品名の由来となった。
受付は三菱ケミカルのウェブサイトhttps://www.m-chemical.co.jp/products/product-site/index.htmlで行っている。販売価格は86万4000円(税込み)。
三菱ケミカルホールディングスグループでは、この義足開発を通じて蓄積した技術を、義足走者だけでなく、健常者の歩行をサポートすることにも活用し、広く社会に貢献することを検討していく。