ダイセルは17日、グループ会社であるダイセルポリマーが保有する、セルロースを用いたプラスチックに関する特許が、国際連合(国連)機関の「世界知的所有権機関(WIPO)」が運営する環境関連技術交流の枠組み「WIPO GREEN」に今年1月23日付で登録されたと発表した。
WIPO GREENは、環境技術の移転促進を目的としてWIPOによって2013年に設立された、知的財産の保有者と使用希望者を結びつけるデータベースとネットワーク。知財保有者は環境関連の特許、使用希望者はニーズをWIPOに登録し、マッチする者同士が自由に交渉することができる。
110カ国1400以上の個人や組織が参加、3600以上の特許とニーズが登録されており、600以上のマッチング実績がある。WIPO GREENに登録された特許は、国際的な認知の獲得と、有効な活用法の発掘が見込まれる。
今回、登録されたのは、ダイセルポリマーが持つ特許「繊維強化樹脂組成物(特許番号5938299)」。この特許は、天然由来のサステナブルな原料「セルロース」の再生繊維を強化材に使ったプラスチックに関するもので、ダイセルポリマーは日本のほか、欧米や中国、韓国などで特許を取得している。
同プラスチックは、軽さと機械的強度を両立することから、自動車をはじめ、様々な分野での軽量化のニーズに対応が可能。ダイセルポリマーは、天然由来の原料を使った環境にやさしいプラスチック材料として、この材料の市場展開を進めており、今回のWIPO GREENへの登録を機に、さらに販売拡大を図っていく。
ダイセルグループは今後も、環境関連の製品や技術に関する取り組みを進め、「持続可能な開発目標(SDGs)」にうたわれる持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。