特殊ポリマーの世界的サプライヤーであるベルギーのソルベイはこのほど、「トーロン」5030ポリアミドイミド(PAI)が、米国パフォーマンス・プラスチックス社のコンポジット表面の固着物除去用工具に採用されたと発表した。
パフォーマンス・プラスチックス社の「エンデューロシャープ」スクレイパーブレード製品は、デリケートな繊維強化コンポジット表面から固着物を除去するようデザインされた工具。同社では製品ラインを拡張するため、新製品を開発したが、これらの全てに30%ガラス繊維硬化樹脂の「トーロン」PAIが採用された。
ポリエーテルイミド(PEI)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの高機能ポリマーを使用した他のスクレイパーブレードの場合、二次工程で刃先を成形ブランクに機械加工することになる。一方、比較的加工性に優れた「トーロン」PAI樹脂を使用すると、ブレードの刃を直接成形することができる。
また、機械加工によって特殊な設計を行うことも可能で、熱安定性が特に優れていることから、再研磨による高温と摩擦に耐えることができる。さらに航空宇宙用流体や溶媒に対する耐性が高いため、製品寿命を長くすることができる。
新発売の「エンデューロシャープ」ブレードハンドル、アダプター、インサートを使用することで、航空宇宙産業の保守技術者は、繊維強化コンポジット、プラスチック、ガラス、セラミック、金属基材、ファスナーから、エラストマー系コーティング、 ブート、テープ、シーラント、接着剤、充填剤、テープ残留物などを安全に除去することができる。同ブレードと合わせて、熱または化学薬品を利用したスカイビング処理を行えば、さらに迅速な除去が可能になる。