東ソーは27日、バイオサイエンス事業の強化・拡大の一環として、米国センバ・バイオサイエンシズ(センバ社)の株式を追加で取得し完全子会社としたと発表した。これに伴い、社名をトーソー・バイオサイエンス・ウィスコンシンに変更している。
なお、今回の完全子会社化は米国子会社トーソー・バイオサイエンス社(ペンシルベニア州)を通じて行われた。バイオ医薬品の市場は、抗体医薬品、遺伝子治療薬、コロナワクチンなどの需要増大を背景に、今後も高い成長が見込まれている。
バイオ医薬品の製造では液体クロマトグラフィー技術が一般的に利用されているが、従来のバッチ方式と比べて需要変動に対する柔軟性に優れ、かつ医薬品製造コストの低減に有効な新手法として連続クロマトグラフィー方式が注目されている。
センバ社は、2009年に世界初の卓上タイプの連続クロマトグラフィー装置「Octave」を上市した、クロマトグラフィー装置の製造・販売会社。東ソーは2018年にセンバ社へ出資し、医薬品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)に準拠した連続クロマトグラフィー装置「ProGMP」の開発など、ラインアップ拡充を協同で進めてきた。
センバ社を完全子会社化にすることでより緊密な一体運営を行い、連続クロマトグラフィー事業のさらなる拡大を狙うと共に、液体クロマトグラフィー用分離剤「トヨパール」およびカラム「SkillPak」事業とのシナジー創出を推進していく。急拡大が進むバイオ医薬品市場に先進的な製品を提供するため、今後も分離精製事業のグローバルな基盤強化を積極的に進めて行く計画だ。
東ソーは、今後も既存事業の強化や周辺・新規領域への展開を通して、バイオ医薬品精製のトータル・ソリューション・プロバイダーを目指していく。