三菱ケミカルは14日、民間企業として世界初となる月面探査の実現を目指す、ロボット・宇宙開発ベンチャーのダイモン(東京都大田区)との間でパートナーシップ契約を締結したと発表した。
今回の契約は、三菱ケミカルがもつ炭素繊維強化プラスチック(CFRP)部材と熱可塑性樹脂材料の提供や技術支援を行う内容で、その一環として、今秋に打ち上げ予定の月面探査車関連部品にCFRPが使用される予定。
宇宙分野で使用される機器は、打ち上げや宇宙空間などの過酷な環境での使用に耐える強度や剛性、耐熱性が求められることに加え、1kgあたり1億円とも言われる月面への輸送コスト低減のため、部材の軽量化も大きな課題。
これまで主にアルミ素材が使われてきたが、強度と軽さを兼ね備えるCFRPの普及が期待されている。すでに人工衛星など宇宙分野でのCFRP部材の採用実績をもつ三菱ケミカルは、ダイモンとの提携により、宇宙空間や月面での使用実績を積み重ね、製品開発と月面基地部材など用途開発を加速する。
同社は今後も、発展が見込まれる宇宙分野への展開を積極的に進め、事業の成長を図っていく。