三菱ケミカルはこのほど、サーキュラ―エコノミー(循環型経済)推進に向けた取り組みの一環として、フジシールグループと共同で、ペットボトルの使用済みシュリンクラベルの再利用に向けた実証プロジェクトを開始すると発表した。
シュリンクラベルは、ペットボトル容器自体に顔料などを付着させることなく、必要な表示や遮光機能などを保持させることができるため、ペットボトルのリサイクル率向上に貢献している。一方で、ラベル自体についてはリサイクルの仕組みが確立されておらず、資源循環の観点から対応が求められている。
三菱ケミカルは今回、この社会課題を解決するため、長年の顧客であり高いシュリンクラベル設計技術をもつフジシールと共に、使用後のシュリンクラベルを新たなシュリンクラベルに再利用する仕組みの共同実証プロジェクトを開始する。今春には実証プラントを設置して検証を進め、2022年の社会実装を目指す。
同プロジェクトでは、ラベルが装着されたままのペットボトルから回収されるラベルを対象とする。フジシールのシュリンクラベル設計技術や三菱ケミカルのフィルム設計・製膜技術などを融合することで、使用後のシュリンクラベルから印刷インキを取り除き、新たなシュリンクラベルに再利用するとともに、脱離されたインキの有効活用についても実証検証を行う。
同社は三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略の下、サーキュラーエコノミーの推進をKAITEKI実現のキーエレメントと位置づけており、使用済み製品などのリサイクルはその重要な取り組みの一つと考えている。同社は今後も、取引先などとの連携を積極的に進めながら、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。