三菱ケミカルは12日、ポリエステル長繊維「ソルーナ」の販売について今年12月をめどに終了すると発表した。
同社は、「ソルーナ」の原糸生産を2009年よりユニチカグループ(ユニチカ、ユニチカトレーディング、日本エステル)に委託し、原糸・加工糸・テキスタイルの販売を継続して行ってきた。しかし、衣料品の国内市場が縮小するとともに、輸入品が増加する中で、同事業の採算性は急速に悪化している。
このような状況下、三菱ケミカルは、原糸の差異化や機能素材に集約した販売などの経営努力を重ねてきたが、現状と今後の事業環境を精査した結果、同事業を継続することは困難であると判断し、同製品の販売を終了することを決定した。8月末日で原糸生産委託を終了し、12月末日で販売を終了する予定。
同社は、三菱ケミカルホールディングスグループの中期経営計画「APTSIS 20」に基づくポートフォリオマネジメントに取り組んでいる。今後も、成長市場で技術開発や用途開拓を進めることで、高機能成形材料事業の強化を図っていく考えだ。