2026年までに15万t設備、各ブランド品を生産
ポリプラスチックスは12日、中国江蘇省南通経済開発区南区に今年1月設立した新規ポリアセタール(POM)製造会社「大宝理工程塑料(南通)」について、三菱ガス化学の100%子会社グローバルポリアセタール(GPAC)から全出資額うち30%の出資を受け入れることに合意したと発表した。今後は、両社の
2022年5月16日
2022年3月10日
2022年2月28日
2022年1月31日
2022年1月21日
2021年12月20日
ポリプラスチックスは17日、親会社であるダイセルが保有するダイセル・エボニックの株式持分を今月1日に取得したと発表した。これに伴い、ダイセル・エボニックの社名を来年4月1日に「ポリプラ・エボニック」に変更する。
ダイセル・エボニックは、1970年に、ダイセルと独ヒュルス社(現エボニック社)との合弁企業として設立され、PA12、PEEKなどの高品質で優れた機能性樹脂を開発、販売してきた。
ポリプラスチックスは、エンジニアリングプラスチックのパイオニアとして、POM、LCP、PPSをはじめとする機械的強度、耐熱性、耐薬品性などに優れた高付加価値の機能性樹脂を、高い技術力と世界に広がる技術拠点による細やかな技術支援とともに全世界で提供している。
今回の持分取得は、ダイセルの中期戦略における「事業再編、既存ジョイントベンチャーの抜本的見直し」に基づいて実施するもの。ポリプラスチックスは、ダイセル・エボニックを子会社化することで、両社の知見、技術を生かした共同マーケティングやテクニカルソリューションを顧客に提供する。さらに、アプリケーションおよび製品ポートフォリオの拡充などを通じた事業拡大とシナジーを共創していく。
2021年9月15日
ポリプラスチックスは14日、「射出成形時のガス発生メカニズムから生まれた新評価法~射出成形品表面のガス焼け~」を同社のウェブサイトに公開した。
射出成形の現場では、ショートショットやガス焼けの発生により連続生産ができなくなり、製造コストアップや納期トラブルが起きる事例が多く発生する。今回、成形時のガスを同社独自の手法で捕集・評価する新たな評価法「成形時ガス評価法(Gas Investigation Method in Injection Molding)」を使い、ガス焼けを引き起こす原因について考察を行った。
ガス焼けを引き起こす主な要因として、①樹脂のエネルギー損失によるガス発生、②バレル内部での熱伝導の不均一、③ガスベントの詰まり、④不適切なパージ作業の四つが挙げられる。これらのうち③と④について、PPS樹脂「ジュラファイド」やその他のエンプラを実験材料とし、「成形時ガス評価法」によるガス焼けの原因を解析。各原因の対策についてウェブサイトに掲載している。
同社は「今回の結果を参考に、生産効率アップに役立つことを期待している」と述べている。エンプラの素材メーカーである同社は、材料技術のみならず、成形・加工技術の開発にも積極的に取り組む。今回紹介した材料や技術に加え、成形・加工技術を融合させた新たな発想を生産者に届けていく。今後も材料情報や設計技術について、引き続きウェブサイトに公開していく予定だ。
2021年9月2日
ポリプラスチックスは1日、液晶ポリマー(LCP)「ラぺロス LCP」について、台湾・台北の合弁会社「ポリプラスチックス台湾」(PTW)の高雄工場に年産5000tの重合プラントを新設すると発表した。稼働時期は2024年上半期を予定している。
LCPは、高耐熱のスーパーエンジニアリングプラスチック。パソコンやスマートフォンなど情報通信機器に使用される電子部品を中心に幅広い産業分野で活用され、その市場は高い成長率で拡大を続けている。近年、5G設備向けの投資加速に伴い、LCPの需要が増加しており、今後も5Gミリ波対応の本格化により用途拡大が期待されている。
LCPのトップメーカーであるポリプラスチックスは、日本の富士工場(静岡県富士市)に年産1万5000tのLCP重合プラントを保有、これまでPTWではLCP製品のコンパウンド工程の生産を担ってきた。今回のLCP重合プラントの新設により、PTWでは重合からコンパウンドまでLCP製品の一貫生産が可能となる。将来的にはPTWのLCP重合プラントを拡張することで、グループ全体として年産2万5000tのLCP重合能力を実現する。
同社は、今後急速に拡大が見込まれるLCPのグローバル市場に対応していくため、成長戦略の下、高性能・高品質・安定供給をもって顧客の信頼に引き続き応えていく考えだ。
2021年7月15日
ダイセルは14日、同日開催された取締役会において、吸収分割の方式により長繊維樹脂事業をポリプラスチックスへ、また、樹脂コンパウンド事業をダイセルミライズへ、それぞれ承継することを決定したと発表した。効力発生日は10月1日を予定している。
ダイセルは、マーケティング活動におけるシナジー追求を目的として、自動車用途の長繊維樹脂事業および樹脂コンパウンド事業をダイセルのセイフティ事業部門に集約していた。こうした中、さらなる事業拡大を目指すため、昨年10月に完全子会社化したポリプラスチックスに、セイフティ事業部門の長繊維樹脂事業、およびダイセルミライズの一般用途長繊維樹脂事業の長繊維強化熱可塑性樹脂「プラストロン」を移管し、長繊維樹脂事業を集約する。
同社グループ主力事業の1つであるエンジニアリングプラスチック事業における強みや経営資源を融合させ、製品開発や技術サポートなど多面的なシナジー効果を醸成し、多様化する市場に向けて顧客への製品提案力の強化や技術サポートサービスの一層の充実を図っていく。
一方、ダイセルミライズには樹脂コンパウンド事業を集約する。これまでの一般用途樹脂コンパウンド事業に加え、セイフティ事業部門の自動車用途樹脂コンパウンド事業を集約することで市場競争力を強化し、事業拡大を図っていく。
2021年4月14日
欧米市場開拓に注力、ダイセルとのシナジー追求
ポリプラスチックスはポリアセタール(POM)を「ジュラコンPOM」として展開する、世界シェアトップのメーカー。昨年にはダイセルの完全子会社となり、ダイセルの成長けん引の一翼を担うこととなった。
ポリプラは1964年にダイセルとセラニーズの合弁で設立。主力製品であるPOMは、富士工場の10万tを皮切りに、1988年に台湾・高雄工場の2.5万t、2000年にマレーシア・クアンタン工場の12万t、2005年に中国・南通工場内で4.2万t(引き取りベース)と拡張し、現在の生産能力は約29万tとなっている。足元では世界市場のPOM需要が高まりを見せている。同社は拡大する市場に応えるため、中国での9万t規模の増設を計画しており、市場プレゼンスを一層高めていく方針だ。
販売戦略では、2012年以降、欧米へ事業拠点を設置し、グローバル展開を加速させた。高いシェアを握っているアジア市場の維持・拡大だけではなく、欧米市場での新規開拓・シェア拡大に注力している。欧米での活動は、POMが広く採用されている自動車部品向けに、欧米系OEMへの参入を目指し、米国とドイツにテクニカルソリューションセンターを開設。技術サポートと併せてスペックイン活動を進める中で、日系OEMとは異なる要求特性への対応や、信頼性データの提出を進め、徐々に採用事例が増えてきている。
一方、同社は自動車分野以外の用途開拓にも力を注ぐ。その背景として、欧州や中国を中心にEV化が進み、POMの主要用途である燃料系部品が減少する可能性も出てきたことが挙げられる。食品接触用途向けでは「M90-57/M270-57」を開発し、世界的な市場展開を図っている。さらに直近では医療分野へのアプローチとして、新たに「PMシリーズ」の販売を開始。すでに薬事用などで広く利用されているCOC樹脂「TOPAS」とともに、医療分野にソリューションを提供していく構えだ。
同社は、今年1月に富士工場にマザー工場としての機能をもたせた「F-Base」を開所し、運用を開始した。グローバルで生産、技術、保全、検査、物流、安全の監視を強化し、また隣接する研究開発部門との連携を高め技術革新の創出につなげる。ポリプラは、ダイセルの長期ビジョンの中で新ダイセルの象徴的な役割を担っており、成長領域でのシナジー効果を追求していく方針だ。