NEDO 地球環境ムーンショット目標に13テーマを採択

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2020年9月9日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、「ムーンショット型研究開発事業」の中の目標4「2050年までに地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」を目指す研究開発プロジェクト13件を採択したと発表した。

 日本発の破壊的イノベーション創出を目指した挑戦的な研究開発(ムーンショット)推進に向け、総合科学技術・イノベーション会議で「ムーンショット型研究開発制度」を創設し、今年1月に6つの目標を決定。今回、目標4の実施に向け、公募を経て採択した。

 開発は次の3分野からなる。①大気中CO2の回収と利用の「温室効果ガス(GHG)の回収・資源転換・無害化技術」8件。2050年までのGHG80%排出削減には、排出抑制だけでなく排出後のGHG回収技術が必要。大気中のCO2濃度は0.04%と希薄で、直接回収(DAC)には大量のエネルギー消費や高コストなど多くの課題がある。DACの課題解決と回収したCO2の資源化、さらに地球温暖化係数がCO2の数十倍、数百倍ある農地由来のメタンやN2Oの無害化も対象。2050年までにDACの世界的普及を目指す。

 ②農地や工場などから排出される低濃度窒素化合物の無害化と利用の「窒素化合物の回収・資源転換・無害化技術」2件。人間活動由来の窒素化合物は、プラネタリーバウンダリーの限界値を超えた状態にあると言わる。湖沼や海域の富栄養化、酸性雨や気候変動などへの影響に対応する。

 ③海洋中で適切に生分解するプラスチックの「生分解のタイミングやスピードをコントロールする海洋生分解性プラスチックの開発」3件。日本の「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」実現には、海洋流出しても環境影響の少ない海洋生分解性プラスチックが必要。海洋流出後に適切に分解するよう、生分解のタイミングやスピードをコントロールするスイッチ機能の開発を行う。

 これらを通じて、「地球温暖化問題の解決(クールアース)」と「環境汚染問題の解決(クリーンアース)」を目指していく考えだ。

NEDO ムーンショット型研究開発事業の公募を開始

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2020年3月9日

 NEDOは、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環の実現を目指す、ムーンショット型研究開発事業の研究開発プロジェクトの公募を開始した。

 ムーンショットとは日本発の破壊的イノベーションの創出を目指す、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発のこと。

 同事業では地球温暖化問題の解決(クールアース)と環境汚染問題の解決(クリーンアース)に向け、2050年までに資源循環技術を用いた商業規模のプラントや製品を、世界的に普及させることを目指す。

 具体的には、大気中のCO2や海洋プラスチックごみなど、環境に広く拡散された物質や低濃度な状態で環境に排出される物質について、それらを回収し有益な資源に変換する技術や、分解・無害化する技術に関する挑戦的な研究開発を推進する。

 この公募では、国内外から研究開発をマネジメントするプロジェクトマネージャー(PM)と、PMが率いる研究開発プロジェクト(複数の企業や大学などから構成される体制で実施する研究開発)を原則複数選定する。

 NEDOは選定した複数のプロジェクトを統一的に指揮・監督するプログラムディレクターとして、地球環境産業技術研究機構(RITE)の山地憲治副理事長・研究所長を任命した。プログラムディレクターは、ムーンショット目標を戦略的に達成するためのポートフォリオを構築し、研究開発を挑戦的かつ体系的に推進する。

 昨年、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)は、ムーンショットを推進するものとして、「ムーンショット型研究開発制度」を創設した。同制度に基づき、CSTIが決定したムーンショット目標と、経済産業省が策定した研究開発構想を踏まえ、NEDOはムーンショット目標「2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」を達成するため、挑戦的な研究開発(ムーンショット型研究開発事業)を進めていく。