ランクセス オンラインイベント「バーチャルデー」を開催

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2020年10月5日

 ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセスはこのほど、同社初のオンラインイベント「ランクセス・バーチャルデー」を開催した。新型コロナウイルス感染症拡大が人々の生活に大きな変化をもたらす中、「ニューノーマル時代の化学の果たす役割」について、アジア太平洋地域を中心とした幅広い顧客やパートナー企業に最新の製品やソリューションを紹介する試み。

 同社アジア太平洋地域の銭明誠社長は「新型コロナの世界的流行による展示会中止の現状を打開するために開催した。ビジネスの進め方やコミュニケーションの取り方が変化し、われわれの創造性も刺激された。展示会は、技術・知識・ソリューションを提供し顧客との関係を強化する重要なプラットフォームだ。バーチャルブースとオンラインセミナーにはチャットによるコミュニケーションの場もあり、多くのインスピレーションを感じていただければ幸いだ」と挨拶した。

 バーチャルデーは9月15日からの3日間で英語(24)、中国語(23)、日本語(9)による計56のオンラインセミナーを中心に、同社新製品・新製法・新技術を紹介。ニューモビリティ、ゴム、プラスチック、建築、コーティング、電機・電子、金属加工、水処理、パーソナルケアなど多岐にわたる。

 バーチャルブースはオンライン空間のインタラクティブな展示で、720度対応のブースをバーチャルに散策して最新の製品やソリューションの詳しい情報が見られた。電気自動車市場の長期的な将来性を確信した高性能軽量化プラスチックやイオン交換樹脂などニューモビリティ分野に特化した製品や、電気自動車用バッテリーの陽極材金属の抽出・製造実績、環境配慮型製法によるポリマータイプの難燃剤や無機顔料などの建築業界向けソリューションもあった。

 コンシューマープロテクション製品群では開発強化を計画する虫よけ剤高機能活性成分や、パーソナルケア製品向けの独自ソリューションにも力を入れている。これらのパンフレットや動画のダウンロードセンターも用意されていた。

 

ランクセス ゴム添加剤「レノグラン」国内製造30周年

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2020年9月17日

 ランクセスはこのほど、予備分散ゴム薬品「レノグラン(Rhenogran)」の国内製造が30周年を迎えたと発表した。

ランクセス豊橋事業所の外観(写真提供:ランクセスAG)
ランクセス豊橋事業所の外観(写真提供:ランクセスAG)

 1990年に豊橋事業所のラインケミービジネスユニット施設で製造を開始以来、国内タイヤメーカーをはじめ多くのゴム製品メーカーやゴム加工業者に、一貫した高品質・高性能の予備分散ゴム薬品「レノグラン」と「レノスラブ」を提供してきた。多様なニーズに応えてグラニュール、チップ、シートなどの形状で提供し、タイヤなど多くの業界でゴム混練時に使用されている。

 同ビジネスユニット日本統括マネジャーの渥美貴生氏は「自動車業界が100年に1度と言われる大きな転換点を迎える中、自動車材料で重要な役割を占めるゴム添加剤にも多くのイノベーションが求められている。30年間の実績を土台に、力強いパートナーとしてイノベーションをサポートしていく」と述べる。

 グローバル化が進む日本のタイヤメーカーや自動車部品メーカーにとって、国や拠点を選ばず高品質なゴム添加剤を提供できるパートナーの重要性は高い。同ユニットのラバーアディティブス・ビジネスラインのグローバル製造統括のカール・ハインツ・ミュラー氏は「世界各地の最先端製造拠点を独自ネットワークで結び、顧客と密接な協力関係を築いている。新型コロナウイルス感染症の世界的流行下にあっても、グローバル製造ネットワークを通じて顧客へのサポートを継続することができた」と述べている。

 なお、同ビジネスユニットがあるスペシャリティアディティブス部門の昨年度の売上高は19億6500万ユーロだった。

30 周年を迎えたランクセス豊橋事業所ラインケミービジネスユニットの従業員(写真提供:ランクセスAG)
30 周年を迎えたランクセス豊橋事業所ラインケミービジネスユニットの従業員(写真提供:ランクセスAG)

ランクセス 上海にアジア太平洋地域用途開発拠点を着工

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2020年9月16日

 ランクセスはこのほど、上海化学工業団地(SCIP)でアジア太平洋地域用途開発センター(AADC)を着工した。

 中国での持続的成長のための重要拠点となる。アジア太平洋地域のビジネスユニット間の相乗効果促進のために、2018年に新たな組織を作り、上海にある本部は中国、日本、韓国、東南アジア諸国を管轄している。昨年AADCを設立し、中国とアジア太平洋地域でのイノベーション能力のさらなる強化計画を発表。今年3月同センターをSCIP内に設置することを発表していた。

 銭明誠アジア太平洋地域社長は7月に行われた起工式で「新規ビジネス創出への地域イノベーションの割合は大きい。製品の新グレードに対する地域ごとのニーズが高まる中、AADCによって能力は一層強化される。世界がまだ新型コロナウイルスと闘っている中での着工は、中国市場そして世界最大の化学品市場の将来に対する強いコミットメントだ」と述べた。

 SCIP運営管理委員会の馬静ディレクターは「ランクセスは当イノベーションセンター初の入居企業で、当工業団地のみならず上海の化学産業の革新と発展のプロセスの重要な出発点だ。SCIPのサービスとビジネス環境が発展し、ランクセスと協働して化学産業のイノベーションセンターのベンチマークとなり、上海の化学産業の変革、レベルアップ、持続可能な開発に貢献していくことを期待する」と述べている。

ランクセス 水処理ビジネスを再編、逆浸透膜事業を売却

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2020年8月21日

 ランクセスは20日、水処理ビジネスについて、イオン交換樹脂事業に注力するため、逆浸透膜事業を持続可能な資源管理の世界的リーダーの仏・スエズ社に売却すると発表した。売却価格は非公表。売却手続きは今年末までに完了する予定。

 ランクセスは、ドイツのビターフェルト拠点で逆浸透膜を製造しているが、スエズ社が同プラントと研究施設、全従業員を引き継ぐ。なお、昨年の同事業の売上高は、数千万ユーロだった。ランクセスは、水処理技術ビジネスの再編を実行している。今後は高性能特殊アプリケーションに注力し、イオン交換樹脂事業をさらに拡大していく方針だ。

 同社は現在、ドイツのレバクーゼンとビターフェルト、インドのジャガディアの3拠点でイオン交換樹脂を製造しているが、新たに、2万~3万㎥の生産能力をもつ製造設備の建設を計画。投資額は8000万~1億2000万ユーロとなる見込みで、今後5年以内の完成を目指し、間もなく具体的な建設候補地を決定する予定。

 イオン交換樹脂は、食品産業や医薬品産業などで最新の精製プロセスに大きく貢献。半導体産業では、マイクロチップなどの製造に必要な超純水製造などで重要な役割を果たし、電池産業では電池製造に不可欠な金属リチウム、ニッケル、コバルトの抽出に使用されている。さらに、発電所や化学産業、マイクロエレクトロニクス、飲料用水処理など幅広い分野に使用され、今後も高い需要の伸びが見込まれている。

 ランクセスの最高経営責任者(CEO)であるマティアス・ツァハト氏は、「逆浸透膜ビジネスは当社の戦略に適合しないものとなってきた」とし、「拡大する世界的需要に対応するため、イオン交換樹脂の生産能力拡大に投資する。同時に、特に将来有望な市場セグメントでの成長を目指していく」とコメントしている。

ランクセスの1-3月期 コロナウイルス危機下でも堅調

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2020年5月29日

 ドイツ特殊化学品メーカー・ランクセスの2020年度第1四半期(1-3月期)の連結売上高は、前年同期比で微減の17億400万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAは同10%減の2億4500万ユーロ、特別項目を除いたEBITDAマージンは同1.3ポイント減の14.4%、継続事業による純利益は同28%減の6300万ユーロとなり、新型コロナウイルスのパンデミックによる経済の低迷にもかかわらず堅調な業績を維持した。

 特に、感染予防に有効な製品を扱う新設のコンシューマープロテクション部門とスペシャリティアディティブス部門は好業績を達成した。なお、コンシューマープロテクション部門は、旧パフォーマンスケミカルズ部門に代わり、サルティゴ、物質保護剤、液体高純化テクノロジーズのビジネスユニットで構成されている。

 一方、コロナ危機による自動車業界の低迷により、エンジニアリングマテリアルズ部門はマイナスで推移した。部門別の業績は、アドバンスト中間体部門は、特にアジア地域のアドバンスト工業化学品がパンデミックによる需要低迷の影響を受け減収減益。

 スペシャリティアディティブス部門は、臭素系製品と為替の好影響が自動車産業の需要低迷を相殺し増収増益。新設のコンシューマープロテクション部門も、特に物質保護剤ビジネスユニットの消毒剤の好調と為替の好影響、買収によるポートフォリオ強化が業績に寄与し増収増益。エンジニアリングマテリアルズ部門は、自動車産業の需要低迷により減収減益となった。

 同社は、第2および第3四半期はパンデミックによる影響が増大すると予測しており、第2四半期の特別項目を除いたEBITDAは2億~2億5000万ユーロ、通期では8億~9億ユーロを見込んでいる。

 こうした中、コロナ危機を乗り切るために、自社株買い戻しプログラムの当面の延期、コスト統制、複数の投資プロジェクトの延期、合弁会社カレンタ社の株式売却を行い、流動性資金を約30億ユーロに増加させる。また、監査委員会、経営委員会、経営幹部の報酬減額を決定した。

ランクセス オール樹脂製軽量ブレーキペダルを量産化

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2020年5月14日

 ランクセスはこのほど、自動車産業向けの振動技術とプラスチック応用加工品を提供する世界的サプライヤーであるボーゲ・エラストメタル社と、バッテリー式電動(EV)スポーツカー向けのオール樹脂製ブレーキペダルを共同で開発したと発表した。

バッテリー式電動スポーツカー用のオール樹脂製ブレーキペダル。
バッテリー式電動スポーツカー用のオール樹脂製ブレーキペダル。

 多軸配向繊維強化樹脂と高剛性テープを組み合せた構造設計により、高い機械的強度と優れた軽量化(スチール製の約半分)を実現。また、自動化されたハイブリッド成形工程により量産が可能となった。グラム単位での軽量化が進められるEVスポーツカーでは、初めて量産車に採用されている。

 同ブレーキペダルは、ランクセスの連続繊維で強化された熱可塑性コンポジットシート「テペックス・ダイナライト」から作られたインサートシートと、複数のテープから構成されている。繊維配向を45度方向に配列・積層した連続ガラス繊維で補強したポリアミド6マトリックスの同インサートシートを用いたテーラーメイドの連続繊維構造に、複数の有機テープを貼り重ねレーザーで接合することにより、理想的な繊維配向をもつ熱可塑性複合構造が得られる。これにより、多様なねじれ方向の荷重経路の最適化が行われ、部品の耐荷要件に適合することが可能となった。

 「テペックス」インサイトシートとテープを用いた複合構造のもう1つの利点として、金属ベースの構造に比べCO2排出量が少ないことが挙げられる。また軽量な上、ガイド・ホルダー・ファスナーなどの機能を組み込み、重量・エネルギー・費用の節約も可能となる。さらに、金属部品に必要なデバリングやタッピングといった追加処理も不要だ。

 今後、「テペックス」の用途として、フロントエンドシステムとバンパービーム、電気・電子モジュールのブラケット、トランクとスペアホイールウェル、バッテリー筐体とカバー、車両の「グリーンハウス」部分の構造部品、バッテリー保護のための車両アンダボディの構造トリムなどへの展開が期待できる。

 

ランクセス 新型コロナウイルスで特別対応措置を実施

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2020年3月10日

 ランクセスの日本法人はこのほど、国内で拡大傾向にある新型コロナウイルス感染症への防止対策として、東京・豊橋・姫路の国内3事業所の従業員に対し、在宅勤務の推奨(製造工場を除く)を含めた特別対応措置を実施した。

 在宅勤務の推奨以外では、電話会議などリモートでの会議実施の推奨、不要不急の海外渡航や出張の自粛、人的接触の抑制、手洗い・うがい・外出時マスク着用などの予防徹底、毎日の社員と家族の健康状態の確認。この特別対応措置は2月25日から国内にある全3事業所の従業員を対象に実施しており、今後新たな情報・状況が確認されるまで継続される。

 同社には国内3拠点に92人の従業員がおり、全拠点で事業を継続している。なお、豊橋事業所にあるゴム用添加剤「レノグラン」の製造工場は通常通り稼働している。

 ランクセスは、中国でも新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた支援を実施しており、このほど同社の消毒剤「Rely+Onビルコン」1tを、武漢市と湖北省内の2つの市にある複数の病院に寄付した。各病院には同月16日に到着している。この1tの消毒剤を水で希釈することで、10万リットルの消毒剤をつくることができる。

ランクセス 虫よけ剤活性成分を欧州化学物質庁が承認

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2020年3月4日

 ランクセスはこのほど、虫よけ剤の活性成分「サルチジン(イカリジン)」が、欧州化学物質庁(ECHA)から、年齢制限のない虫よけ剤用活性成分としての承認推奨を取得したと発表した。

 「サルチジン」はランクセスの完全出資子会社で、受託製造会社のサルティゴが製造・販売している。サルティゴは1月、ECHAのバイオサイド製品委員会から、「サルチジン」が年齢制限のない虫よけ剤(製品タイプ19)用として、承認の推奨を取得した。

 これにより、「サルチジン」は厳格化が進む欧州連合(EU)の殺生物性製品規則に基づき、承認要件を満たす最初の虫よけ剤用活性成分となった。

 ランクセスはこれまで、EU圏内で以前に適応を受けたバイオサイド製品指令に基づき、活性成分「サルチジン」の承認申請を進めてきた。また、「サルチジン」はすでに各EU加盟国の承認要件を満たしているため、ECHAの承認が公表される前から、承認済み活性物質リストに掲載されていた。

 一方で、EUは近年、基準をさらに厳格化し、新たに殺生物性製品規則に基づき、虫よけ剤などの活性成分について承認の標準化を進めていた。サルティゴが「サルチジン」の商標名で製造・販売する活性成分イカリジンは、幅広い虫よけ剤の調合に適しており、さまざまな方法で皮膚に使用でき、世界中の虫よけ剤メーカーで使われている。

 この活性成分を使用した最初の製品は、1998年にドイツで販売され、2007年には防蚊剤の活性成分イカリジンが、中南米とアフリカで販売された。アジア市場では2012年5月に販売を開始し、成功を収めている。

 日本では2015年2月に、厚生労働省からイカリジンを有効成分とする虫よけ剤の認可が下りたことで、国内での販売を開始した。国内の大手忌避剤メーカーへの採用実績がある。

 「サルチジン」含有の虫よけ剤は現在、米国を含む40カ国以上で承認されている。虫よけ剤に関する当局の認可要件は国により異なり、ほとんどの国では、虫よけ剤は市販前に承認を受ける必要があり、一部の国では活性成分の登録も必要となっている。

 

ランクセス 武漢の複数の病院に高レベルの消毒剤寄付

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2020年3月3日

 ランクセスはこのほど、武漢の複数の病院に消毒剤を寄付したと発表した。中国で発生している新型コロナウイルスによる感染症の蔓延を防止するため、同社は高い効果を発揮する消毒剤「Rely+Onビルコン」1tを、武漢と周辺の2市にある複数の病院に寄付した。この高レベルの1tの消毒剤を水で希釈することにより、10万ℓの消毒液を作ることができる。

2月16日に湖北省に到着した消毒剤「Rely+On ビルコン」1t
2月16日に湖北省に到着した消毒剤「Rely+On ビルコン」1t

 2月第1週に英国のサドベリー製造プラントから送られ、各病院に同月16日に到着した。第3者評価機関が実施した複数のテストで、「Rely+Onビルコン」は現在蔓延しているコロナウイルス株に極めて類似性が高い、サロゲート(代替)ウイルスを不活性化することが実証された。これらのテスト結果から、「Rely+Onビルコン」はCOVID‐19(新型コロナウイルス)に対しても、有効であると結論づけることができる。

 「Rely+Onビルコン」を使用する際は、希釈して硬質表面や設備にスプレーする。これにより、表面やドアノブ、テーブル、椅子などの消毒対策として、病院だけでなく、公共交通機関のターミナル、空港、ショッピングモールなどの施設でも汚染のリスクを軽減することができる。

 「Rely+Onビルコン」を製造している同社の物質保護剤ビジネスユニットの責任者は「ランクセスは、中国に8カ所の製造拠点があり、1200人の従業員を擁していることから、中国の人たちに深い繋がりを感じている」と述べている。

ランクセス 気候変動対策で3度目の最高評価

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2020年2月20日

 ランクセスはこのほど、気候変動問題などへの取り組みを行う国際的な非営利団体CDP(旧名称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)から、気候変動対策のグローバルリーダーの一社に認定されたと発表した。

 CDPの最新の調査で最高評価を獲得し、「気候変動Aリスト」(世界で179社)に選定された。これはCDPが調査した8400社のうちの上位2%に入る。同社は2012年から気候変動対策に関するデータを公開し続けており、「気候変動Aリスト」に選定されたのは、今回が3回目。

 「A」評価は開示の透明性と網羅性、気候変動対策の実績で、特に優れた企業に与えられる。この「A」評価の条件として、「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の要件に沿った情報開示を実施していることも含まれる。

 気候変動に関するビジネス戦略だけでなく、リスクとオポチュニティについての情報開示が非常に重要となる。欧州では今後数年のうちに、TCFDの要件が財務報告に関する規制に加えられる予定だ。

 同社は昨年11月、2040年までに温室効果ガス排出量を、現在の約320万t(CO2換算)から実質ゼロにし、クライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すことを発表した。12月には自社のリボルビングクレジットファシリティの金利条件を、温室効果ガス排出量の削減にも関連づけて定めることにした。今年1月1日から、持続可能な世界への移行を促進するために注力している「持続可能な発展のための世界経済人会議」(WBCSD)のメンバーとなっている。

 CDPは温室効果ガスの排出と水・森林資源の活用に関して、グローバルで透明性を確立するという目標を掲げている。昨年は8400を超える企業と920の都市・国がCDPにデータを提出した。これにより、CDPのデータプラットフォームは、環境保護に関する世界で最も包括的な情報源の1つとなっている。

 また、CDPの格付けは社会的責任投資(SRI)に関する機関投資家向けの指針という役割も担っている。現在、このプロジェクトは525を超える世界中の投資家(資産管理額の合計として約96兆米ドル)に支持されている。