三菱エンジニアリングプラスチックス 来年1月からポリアセタールを値上げ

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2021年12月13日

 三菱エンジニアリングプラスチックスは10日、ポリアセタール樹脂「ユピタール」について、2022年1月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内が「40円/kg」、海外が「0.4USドル/kg」「0.35ユーロ/kg」「2.6RMB/kg(人民元)」となっている。

 昨今、主原料をはじめとした原料価格の高騰、および自動車産業を中心にポリアセタールの需要が旺盛で、需給がひっ迫している。こうした状況下、同社は、社内の合理化に努力してきたが、これらのコスト上昇は自社内で吸収できる範囲を超えていることから、安定供給のために価格改定の実施を決定した。

【ポリカーボネート特集2】三菱エンジニアリングプラスチックス

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2021年9月10日

全方位で事業展開、高付加価値品比率向上で成長

 三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)は、三菱ガス化学(MGC)と三菱ケミカルの合弁会社として1994年に設立。ポリカーボネート(PC)樹脂はMGCの「ユーピロン」、三菱ケミカルの「ノバレックス」、DSMから継承した「ザンター」の3ブランドで、樹脂販売とコンパウンドの製造・販売を行い、その売上高はMEP全体の7割を占める。グループのPC樹脂生産能力は、世界5拠点(日本20万t、タイ17万t、中国14万t、韓国6万t、オランダ3.5万t)の合計60.5万t。世界第3位に位置し、日本国内ではトップシェアを握っている。

 同社は3ブランドを擁し、幅広いラインアップと市場浸透により、汎用品から機能品までオールラウンドに事業を展開。国内の売上高については、昨年前半はコロナ禍の影響で大幅に落ち込んだものの、後半には回復。今年前半にかけては2019年の水準を超える場面もあったが、今は

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三菱エンジニアリングプラスチックス POMの医療向けMAシリーズを開発

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2021年6月7日

 三菱エンジニアリングプラスチックスはこのほど、新たに医療規格に対応したポリアセタール樹脂(POM)「ユピタールMAシリーズ」を開発した。

  MAシリーズは、「MAS20」(標準)、「MAS30」(高流動)、「MAH25」(高剛性)、「MAL20」(高摺動)のグレード群をラインアップ。小型化、軽量化が進む医療器具や医療機器に対し、製品設計の自由度向上に貢献する。特に摺動グレードの「MAL20」はPOMとの摺動性を大きく改善。従来、POM製の部品同士を組み合わせると、きしみ音や摩擦が発生し、これらを回避するために異種材料を組み合わせる設計がとられてきた。

  「MAL20」は一般のPOMと組み合わせても摩擦や摩耗が抑えられ、静粛性とスムーズな動きを実現して、医療機器を使用する際の快適性を大幅に向上させる。また、MAシリーズでは調色用の着色マスターバッチを用意。物性だけでなく、意匠の点からも部品設計をサポートする。

 「ユピタールMAシリーズ」は、医療用材料に求められる品質と規制に対応しており、COPD(慢性閉塞性肺疾患)やぜんそくの薬剤吸入器、インスリンペンなどの注射器具、医療機器の部品などの用途に適している。

 

【ポリアセタール特集3】三菱エンジニアリングプラスチックス

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2021年4月14日

自動車向け高機能グレード開発、OEMなどに攻勢

 三菱ガス化学(MGC)と三菱ケミカルの合弁会社である三菱エンジニアリングプラスチックス(MEP)は、MGCからポリアセタール(POM)樹脂「ユピタール」の供給を受け、樹脂の販売とコンパウンドの製造・販売を行っている。

 同社のPOM樹脂の供給能力は、主に国内向けに供給する四日市工場の2万t、中国を中心にグローバルの輸出拠点であるタイポリアセタールの10万tに加え、中国PTMエンジニアリングプラスチックス(ポリプラスチックス、セラニーズ、韓国エンジニアリングプラスチックスとの合弁)の取り分を勘案すると、年間能力は13万tで世界第5位を占めている。

 POMは摺動性と機械強度に特長があり、約8割はレジンとして販売される。残りの約2割がコンパウンドした特殊グレードとなるが、POMメーカー各社は、配合組成や製造技術などで差別化・高機能化を図っている。市場としては、POMの浸透率が高く、市場成長率がGDPにリンクしているアジア市場の成長が期待されるが、メーカー各社の競争が年々激化している状況だ。 事業環境を見ると、昨年の需要はコロナ禍の影響を受けた春先に落ち込んだものの、中国経済が立ち直ってきたことで後半から受注が急回復した。自動車向けに加えOA関連も伸びており、この状況が4月以降も続くとの見方が強い。

 MEPは、これまで自動車向けの出荷比率が低かったが、摺動性、耐久性、成形加工性を向上させた高機能グレードを開発し、OEMや部品メーカーに提案するなど攻勢をかけている。今後はこれらの特性を食品や水回り、OA機器、雑貨などにも展開させていく。さらに医療関連用途への進出も視野に入れており、規格対応などにも取り組む考えだ。

 一方、環境対策は各社にとって無視できないテーマとなっている。MEPはサプライチェーン全体で取り組む構えで、親会社と協力しながら、リサイクルや原料の見直しなどできることから進めていく。また安全面では、ホルムアルデヒド発生によるVOC問題がある。同社は、製造技術の最適化によりホルムアルデヒド量を半減させる技術開発に成功。成型時の金型の汚れが減少する効果もあり、金型メンテナンス回数の削減によるコスト削減への貢献も大きい。コスト競争力を維持したまま製品の機能・性能を向上できるため、今後のシェア拡大が期待される。

 MEPは、高付加価値と環境経営に指針を取っている。新たな需要の探索や環境配慮型材料の提案を強化することで、高機能グレードの比率を50%に高めていく考えだ。

 

三菱エンジニアリングプラスチックス PC樹脂を値上げ、コスト上昇に対応

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2021年4月8日

 三菱エンジニアリングプラスチックスは7日、ポリカーボネート(PC)樹脂について、今月15日出荷分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、PC樹脂「ユーピロン」「ノバレックス」「ザンター」が国内「120円/kg以上」、海外「1.20USドル/kg以上」、PC/PBTアロイグレードが国内「150円/kg以上」、海外「1.50USドル/kg以上」となっている。

 なお同社は昨年12月に、PC樹脂の値上げを発表している。新型コロナの懸念が続く中、ここ数カ月は経済環境も大きな変化を遂げており、PC樹脂の主原料であるビスフェノールAの価格もさらに高騰している。また製品に使用する副原料コストの上昇に加え、物流面でもグローバルで困難な状況が継続しており、ビジネスの展開が過去にない厳しさに直面している。こうした中、同社は、徹底したコスト削減を社内で進めてきたが、自助の合理化努力で吸収できる範囲を超えていることから、今回の再値上げを決定した。