三菱ケミカルグループは31日、三菱ケミカルアグリドリーム(MCAD)について、保有する全株式を住化積水フィルムに譲渡することで合意し、譲渡契約を締結したと発表した。
三菱ケミカルグループは経営方針に基づき、
2023年4月3日
2021年2月9日
三菱ケミカル(MCC)はこのほど、植物工場事業の強化を目的に4月1日付でMCCと子会社の三菱ケミカルアグリドリーム(MCAD)がそれぞれ持つ植物工場事業を、同じく子会社の三菱ケミカルアクア・ソリューションズ(MCAS)に移管し、植物工場に関する事業を集約すると発表した。
現在、MCCおよびMCADでは「苗テラス」「ナッパーランド」「AN(AGRICULTURE NEXT)」「Plant Plant」といった水耕栽培技術を用いた植物工場の設計、施工及び販売に関する事業を行っている。一方、MCASは長年にわたり水処理ビジネスを手掛け、そのエンジニアリング力や水処理技術を培ってきた。気候変動や農業人口の減少などで今後ますます植物工場へのニーズが高まる中、MCCグループが有する植物工場関連事業をMCASに集約化することで、MCASが持つ「水」に関する卓越した技術や設計、施工機能などとのシナジーにより、より高度で優れた植物工場関連製品およびサービスの提供を図っていく。また、今回の集約化により将来的には、バイオ技術などを融合させた植物工場の高度化や医療・健康食品・エネルギー分野への展開も目指していく。
三菱ケミカルホールディングスグループでは、中長期経営基本戦略において、「食糧・水供給」を解決すべき社会課題・注力すべき事業領域の1つに位置付ける。今回の植物工場関連事業の集約化は、この施策の一環であり、今後もMCCグループは保有する財産を結集させてこの課題の解決を目指していく考えだ。
2020年10月29日
三菱ケミカルは28日、グループ会社である三菱ケミカルアグリドリーム(MCAD)が、新型〝水光〟栽培システム「AN」(アグリカルチャー・ネクスト)の販売を来月より開始すると発表した。
「AN」は、クレオテクノロジー(埼玉県滑川町)と共同研究を行い、千葉大学大学院の丸尾達教授監修の下で開発した、農業用ハウスを利用した完全人工光型植物工場。定植した苗が栽培室内を自動で循環しながら成長し、作業者が栽培室内に入らずに収穫まで行うことができるシステムとすることで、作業者の負担や異物の混入リスクを低減した。
また、栽培室内の光や気流を制御することで、業務・加工用にも対応可能な高品質で丈夫なリーフレタスを生産することができ、従来の同社完全人工光型植物工場と比較して約3倍にあたる1株300g以上のリーフレタスを播種後45日程度で収穫することが可能だ。
近年、集中豪雨や大型台風の頻発により日本農業は大きな被害を受けており、自然環境の影響を受けない植物工場は農産物の安定供給の手段として注目を集める。また、単身世帯や共働き世帯の増加など社会構造の変化により外食・中食の需要が伸びており、その加工業者から安定した品質で、細菌や異物が少なく洗浄などの手間がからない野菜へのニーズが増加していることも、植物工場の期待を高めている。
一方で、従来の植物工場の野菜は業務・加工用としては価格や品質面でのハードルも高く、栽培者は持続可能な経営の実現という大きな課題を抱えている。「AN」は、需要に沿った高品質な野菜を収穫できることをコンセプトとして、徹底した生産原価圧縮や栽培効率の向上を実現させた新製品。今後、MCADでは国内外での「AN」の販売促進を通じ、「儲かる農業経営」の普及を推進していく。