ユーグレナ社と日本電信電話(NTT)はこのほど、中性子線照射による遺伝子変異導入を用いた藻類の品種改良に世界で初めて成功したと発表した。
CO2などの温室効果ガスの削減は急務で、
2024年7月9日
2023年11月20日
2023年10月10日
2023年5月29日
2021年8月3日
日本製鉄、大阪市立大学、東北大学はこのほど、脱水剤を用いずに、常圧CO2とジオールから脂肪族ポリカーボネートジオール(PCD)の直接合成を行う触媒プロセスの開発に世界で初めて成功したと発表した。なお、今回の研究成果は、「Green Chemistry(IF=10.18)」にオンライン掲載されている。
PCDはプラスチックに代表されるポリウレタン合成の重要中間体であり、現在、ホスゲンや一酸化炭素を原料にして合成されているが、これら原料は有毒なため、グリーンケミストリーの観点から原料を代替する技術の開発が求められている。代替原料にCO2を用い、ジオールと反応させてPCDを合成する手法は、水のみを副生するグリーンな反応系として注目されているものの、高収率を得るには、高圧CO2や脱水剤を用いる必要があった。
こうした中、今回の研究で見出だした手法はこれら課題を克服するもので、酸化セリウム触媒を用い、ジオールに常圧のCO2を吹き込むことにより、生成した水を反応系外に除去することが可能になり、目的のPCDを高選択率かつ高収率で得ることに成功した。
同技術により、添加剤を用いず、常圧のCO2を化学変換できる新しい触媒プロセスを提供する。また、沸点が水の沸点よりも十分高い基質であれば適用可能であると考えられ、LIBの添加剤やポリマー合成用原料として有用な有機カーボネート、カーバメート、尿素などの合成にも展開できると想定される。CO2から様々な化学品合成ルートを確立することで、CO2の化学固定化に寄与する触媒プロセスになることが期待される。
3者は今後、実用化に向けた固体触媒の改良、スケールアップを含めたプロセス検討を行いながら、さらに研究開発を進めていく。