NEDO 小規模地熱発電事業者向け、支援ツールを開発

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2021年10月20日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、電力中央研究所(電中研)とエンジニアリング協会(ENAA)が、小規模地熱発電事業の設備の最適な運転管理を支援するツール「GeoShink(ジオシンク)」と、収益向上を後押しする「事業性評価支援ツール」を開発したと発表した。

 今後、これらをさらに使いやすいツールへ改良し、事業者の収益向上を支援するとともに、地熱発電事業への普及拡大と地熱資源の有効利用に取り組んでいく。

 再生可能エネルギー導入拡大が望まれる中、地熱は安定したエネルギー出力が得られるため、ベースロード電源としても注目を集めている。特に日本は世界第3位の地熱資源ポテンシャルをもち、地熱発電技術の開発に大きな期待が寄せられている。

 こうした中、NEDOは2013年度に「地熱発電技術研究開発」事業を立ち上げ、地熱資源の利用拡大につながる技術開発を実施してきた。今回、そのテーマの1つである「IoT-AI適用による小規模地熱スマート発電&熱供給の研究開発」(2018~2021年度)において、電中研とENAAが小規模地熱発電事業の最適な運転管理を支援するツールを開発した。

 「ジオシンク」はIoT技術を活用しバイナリー発電設備を一元的に状態監視する。電中研が開発した発電プラント向け熱効率解析ソフトと連携することにより、機器などの異常予兆を検知するとともに、最適な運転管理を支援する。

 一方、「事業性評価支援ツール」は、事業収支の観点から設備の点検・修理時期を最適化するとともに、点検情報やトラブル事例をデータベース化することにより、関係者間での部品調達などの最適化、トラブルの再発防止などに寄与する。これらのツールによって事業性や運転効率を〝見える化〟することで、従来コスト面の課題から大規模事業者と同等レベルの運転管理が困難であった小規模事業者でも事業収益を向上させる効果が期待できる。