[住友ベークライト/4-12月期決算](7日)▽単位100万円、カッコ内は対前年同期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上収益195,928(31.5%)、事業利益21,207(84.0%)、営業利益20,984(13.1%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益16,137(36.8%)。
住友ベークライト 4-12月期決算(7日)
2022年2月8日
2022年2月8日
2021年11月9日
2021年9月30日
住友ベークライトはこのほど、リールtoリールの連続基板生産に対応したロールタイプのコア材料の量産を宇都宮工場で開始した。
これまで同社は、低熱膨張、高剛性、高弾性率を特長とする半導体パッケージ基板材料「LαZシリーズ」の生産・販売を行ってきた。一般にコア材料は、プリプレグの両面に銅箔をセットし枚葉でプレス成型・硬化させて生産する。近年、デバイスの薄化基板、高集積化により、基板のさらなる薄化が求められており、使用されるコア材の厚みも薄化が進んでいる。しかし薄くなればなるほど、基板メーカーでの取り扱いが難しくなり、歩留まりの低下に加え、将来の高コスト、供給不安につながることが懸念されている。
これに対し、同社では、革新的な連続生産方式でロールタイプコア材を製造することが可能。リールtoリールのロールタイプのコア材連続基板生産方式(フレキシブル基板で多く採用)は、工程中はロール搬送されるためほとんど人の手を介さず、ハンドリングロスが低減。さらに、材料ロスは理論的に両端のみであり、高い面積歩留まりも期待できる。今回、こうしたコンセプトに賛同した基板メーカーの極薄両面二層基板用に初めて採用され、ロールタイプのコア材の量産に至った。
一方、この方式は品質安定性(厚み、物性、寸法)にも優れていることから、将来の極薄基板生産に対しても様々な問題を解決できる可能性を秘めている。さらに従来のプレス生産方式では困難な20㎛以下のコア材を提供できるため、さらなる薄化要求にも対応でき、かつ、コスト競争力の高い極薄リジット基板の提供が可能になると見ている。
同社は、大きな成長が期待されるディスプレイ市場とメモリー市場に向け、デバイスで使用される極薄二層基板をターゲットに、市場拡大を目指していく。
2021年7月29日
住友ベークライトは28日、半導体封止材の中国子会社SSBで、新規に設備を導入し生産能力を増強すると発表した。
同社は半導体封止材「スミコンEME」において、世界で40%のトップシェアを誇り、中国市場でも、1997年より生産を開始している。ここ数年、中国市場の拡大や同社シェアアップに対応するため、既存ラインでの生産能力増強を進めてきた。
こうした中、コロナ禍によるリモートワーク用周辺機器や家電用途の半導体需要の拡大に伴い、半導体封止材の需要もさらに拡大。既存設備での生産量アップでは対応できなくなることが予想されることから、現工場の建屋内に新規に生産ラインを導入し、生産能力を現在の1.5倍に拡大することを決定した。すでに当局の承認も得て着工しており、2021年内に設置を完了し、2022年初頭から生産を開始する計画。なお、投資金額は25億円を予定している。
今回の能力増強により、当面の中国市場での半導体封止材の需要に対応は可能となるが、同社は将来的なさらなる需要増に対しても迅速に対応していく考えだ。
2021年5月18日
2021年4月20日
住友ベークライトはこのほど、ミニ/マイクロLEDディスプレイ向け感光性材料「スミレジンエクセルCRX」シリーズを開発し実用検証を開始したと発表した。
ミニ/マイクロLEDディスプレイは、高輝度・高コントラストなどの特長から屋外ディスプレイやARグラスなどの用途に好適な次世代ディスプレイとして注目され、2022年頃から量産が本格化すると言われている。しかし、その製造難易度は高く、LEDチップの高密度実装のためには微細加工性や絶縁信頼性、高密着性をもつ感光性絶縁材料が必要だ。
同社は1997年、ポジ型感光性半導体ウェハーコート樹脂「スミレジンエクセルCRC」シリーズを世界で初めて量産化し20年以上の販売実績をもつが、その技術をベースにマイクロLEDディスプレイ向けに新たに材料設計し、「CRX」シリーズを開発した。高解像度、高絶縁信頼性、高密着性といったコア技術に加え、低温硬化性、高透明性、部品接着性、厚膜加工性など用途に応じて追加機能を付与したサンプルも準備。すでに複数のディスプレイメーカーでの評価が始まっており、2022年の製品量産化を目指す。「CRX」シリーズでは数十億円規模の販売を狙っている。
2021年2月10日
2021年1月20日
住友ベークライトはこのほど、リサイクルに適し熱成形(深絞り包装)が可能なポリエチレン(PE)モノマテリアル構成の包装用フィルムの開発に成功した。資源利用の効率化や環境配慮型技術の拡大、廃棄物の大幅削減に貢献できる。
近年、プラスチック全般に環境負荷低減が求められ、環境省の「プラスチック資源循環戦略」の1つに「2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルすること」が掲げられている。包装用フィルムには様々な用途・要求があり、PEフィルムにナイロンなどの異種材料を積層して機能を高め、対応してきた。しかし、各種材料の分離は困難で、リサイクルできないことが課題であった。
今回、密度、分子量、構造などが異なるPEを積層することで、耐熱性、耐ピンホール性に優れたPEモノマテリアルフィルムを開発した。深絞り包装、イージーピール機能、ボイル殺菌、製袋加工が可能。使用後は破砕・溶融することで再度PEとして利用できる。冷凍・チルド食品の個包装用フィルム、医療機器・衛生用品の包装用フィルムとして、「容器包装のリサイクルしやすさ」を向上させる。
今後、同社の多層フィルム・シート「スミライト」CELのラインアップに加え、さらに酸素バリア性を向上したモノマテリアル材料の開発を進める。2025年度に年間10億円の売上を目指す。
2020年11月25日
住友ベークライトはこのほど、スミトモベークライトノースアメリカ(SBNA)・マンチェスター工場が、プラスチック材料工場として国内外4工場目となる航空機関連部品に関連する生産・品質管理システムのAS9100の認証を取得したと発表した。
航空機業界は目下厳しい状況にあるが、同社は、新規拡販ターゲット市場に航空機市場を定め、中長期視点に立ってVaupell社(航空機関連の関係会社)を中心にビジネス拡大に向けた活動を展開。航空機関連市場では、電子部品や自動車とは異なる独特な生産・品質管理が求められるため、同社がもつ優位性あるプラスチック材料の信頼性を高める必要がある。生産・品質管理システムをもとにした材料開発、生産、品質保証を整備・証明するために、国内外の材料工場でAS9100認証取得を進めている。
すでに静岡工場、北米のナイアガラフォールズ工場、マレーシア工場ではAS9100認証を取得。4工場目の取得となるマンチェスター工場ではフェノール樹脂やプリプレグ、パネル関連材料などを取り扱っている。
また同工場では、高強度、高耐熱、耐衝撃性、寸法精度などに優れる長繊維補強熱硬化性成形材料や、航空機用コネクタや電子部品に使用されている短繊維補強熱硬化性成形材料を生産しており、航空機部品の軽量化を一気に実現し、一括成形による部品点数削減とコストダウンに貢献できる可能性をもっている。すでに、航空機メーカーおよび航空機部品メーカー(Tier1)から高い関心が寄せられ、サンプルワークでは一部顧客から好評価も得ている。
同社は今後、さらにマーケティング活動を進め、2023年度に売上高数十億円に加え、5年間で航空機関連ビジネスを2倍にすることを目指していく。
2020年11月10日