旭化成はこのほど、アクリルラテックス「ポリデュレックス」「ポリトロン」事業と光触媒塗料「デュラ光」事業からの撤退および両事業の製造拠点である和歌山工場の閉鎖を決定したと発表した。2022年4月末に生産を終了し、同年10月末の販売終了を予定している。
アクリルラテックス事業は、1970年に和歌山工場で生産を開始し、これまで約51年間にわたり国内外の顧客へ製品を提供。一方、光触媒塗料事業は、2009年に同工場で生産を開始し、約12年間にわたり製品を提供してきた。しかし、主に国内市場の需要減少などにより両事業ともに販売量が減少し、近年は収益性の低下も課題となっていた。
市場環境の厳しさがさらに増す中で、同社は事業継続に向けたあらゆる努力を続けてきたものの、将来的に拡大戦略を描くことが難しいと判断し、今回、両事業からの撤退、製造拠点である和歌山工場の閉鎖を決定した。
同社は中期経営計画において、「高い収益貢献」「高い市場成長率」「価値提供注力分野」「持続可能な社会との親和」の四つの判断軸に基づいて経営資源配分を行い事業ポートフォリオの転換を図っている。今後は同事業に投入していた経営資源を他の注力事業へ振り向けていく考えだ。