住友商事と東京ガスはこのほど、ITM Power(英国シェフィールド)が開発したメガワット級固体高分子型水電解装置を使用し、水素利活用に向けた共同実証実験を東京ガス横浜テクノステーション内にて実施することで合意した。
日本政府は2050年までのカーボンニュートラル化を目標と掲げ、年間42万tを超えるクリーン水素の供給を目指している。再エネ由来の電力を用いた水電解装置により製造される水素は、製造過程においてCO2を排出しないグリーン水素として、脱炭素社会の切り札とされている。グリーン水素の製造コストの低減や高効率化を目指し、水電解装置の大型化に世界中の注目が集まっている。
今回の実証は、海外製の大型水電解装置による日本で初めての運転検証となる。住友商事は、水素吐出圧力を本製品標準スペックの2㎫から、日本の国内法規に準拠した1㎫未満に調整した2.0㎿級の水電解装置を、来年6月に東京ガス横浜テクノステーションに納品し共同実証を開始する予定。
東京ガスは、水電解装置の設置や様々な運転環境下でのオペレーションを実施し、最新の水電解装置の性能を把握するとともに機器の運転や関連設備の施工などの大型水電解装置導入に向けたノウハウを蓄積する。製造した水素は同ステーション内にて脱炭素化に向けた水素利活用の研究開発に利用する。同実証の成果については両社に共同で帰属するものとし、今後の事業開発に活用していく。