東レは10倍に引き伸ばしても破断せずに復元する、生体組織のような柔軟性を持つ生体吸収性ポリマー=写真=を世界で初めて開発した。
柔軟性に加え、加水分解による分解速度を10倍に向上させる技術も開発しており、近い将来、このポリマーが広範な再生医療に使われていくことが見込まれる。
14日に記者会見を行った同社先端材料研究所の真壁芳樹所長は「再生医療分野のキーポリマーとして開拓したい」と述べた。
従来の生体吸収性ポリマーとして知られるポリ乳酸やポリグリコール酸は、柔らかいが切れやすいか、切れにくいが硬いかのどちらかで、縫合糸や整形外科のピンなどとして使われているが、血管や皮膚などの柔軟組織・臓器の再生には十分適合していなかった。
同社では柔軟性と耐破断性を両立する生体吸収性ポリマーの開発に着手。「分子鎖の間の相互作用が弱く、分子鎖が長いポリマー」を設計コンセプトに研究を進めた結果、