田辺三菱製薬はこのほど、2012年に創業、中国成都市に本社を置き、米国にも支社を持つ、医薬品の標的タンパク質に対する低分子医薬品を創製するバイオ製薬企業である、HitGen(ヒットジェン)と創薬標的分子に対するシード化合物(ターゲットとなる創薬標的分子と結合する化合物)の探索に係る共同研究契約を締結したと発表した。
ヒットジェンは、化合物に目印となるDNAのタグを付けるという独自の技術を用いて、3000億種類以上の化合物から構成される次世代化合物ライブラリー(DNAタグ付きライブラリーのことで、DNAエンコーデッドライブラリー=DELとも呼ばれる構造多様性をもつ化合物ライブラリー)を構築している。
DNAタグ付きライブラリーを用いると、広範な化学品の分析とスクリーニングが可能になり、田辺三菱製薬が狙う新薬の種となるシード化合物のヒット率を向上させ、探索期間を短縮することが期待できる。これにより、田辺三菱製薬は研究パイプラインの早期拡充を目指す。
今回の契約締結により、ヒットジェンは上記の技術を用いて、田辺三菱製薬が提供する複数の創薬標的タンパク質に対するシード化合物の探索を行う。田辺三菱製薬はその対価として、研究コストの一部とマイルストンの支払いをする。
なお、経済条件の詳細については開示しない。両社は今後、アンメット・メディカル・ニーズに応える、革新的な医薬品創製にチャレンジしていく方針だ。