ENEOSはこのほど、同社が設立した「公益信託ENEOS水素基金」(運営委員長:北川進京都大学高等研究院特別教授、受託者:三井住友信託銀行)の2020年度助成対象者の5氏を決定したと発表した。
同社は、水素エネルギー社会の早期実現に貢献することを目的に、2006年に同基金を創設。水素エネルギー供給に関する研究助成に特化した公益信託としては日本初のものであり、水素エネルギー供給に関する「独創的かつ先導的な基礎研究」に対し、年間総額5000万円(1件あたりの上限1000万円)の研究助成金を、約30年間にわたり安定的に交付することが可能な規模をもつ。
今年度は、45件の応募の中から、運営委員会による厳正な審査を経て、第1分野「水素製造技術」には影島洋介助教授(信州大学工学部物質化学科)、山方啓准教授(豊田工業大学大学院工学研究科)、第2分野「水素貯蔵・輸送に関する技術」には木田哲也教授(熊本大学大学院自然科学研究科)、第3分野「CO2固定化・削減技術」には大橋理人教授(大阪府立大学大学院理学系研究科分子科学専攻)、山田亮祐准教授(大阪府立大学大学院工学研究科物質化学系専攻)の5氏を決定した。
助成対象者は各氏のテーマに基づき、光触媒関連の技術や水素輸送デバイス、CO2から有用有機化合物を生産する技術の開発などに取り組んでいく。なお研究助成金贈呈式は、今月17日にオンライン形式での開催を予定。
同社は今後も、同基金を通じて水素エネルギーの活用を促進し、低炭素・循環型社会の形成に貢献していく考えだ。