NEDO CO2を有効利用するメタン合成試験設備が完成

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2019年10月31日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、国際石油開発帝石、日立造船とともに、CO2と水素からメタンを合成する試験設備=写真=を、国際石油開発帝石・長岡鉱場(新潟県長岡市)の越路原プラント敷地内に完成させた。

NEDO メタン合成 写真1 メタネーション試験設備 NEODは、CO2有効利用技術開発事業に取り組んでいる。同試験設備では、越路原プラントで天然ガス生産時に付随して出されるCO2と、水の電気分解によって製造された水素を合成することによりメタンを製造する。

 メタンを合成する反応器には、日立造船が開発した熱回収効率が高く、メタン合成能力の大型化に適したプレート型を採用。事業所内で分離・回収したCO2を用いたプレート型での試験は世界初の試みで、将来の大型化を見据えた取り組みとなる。

 試験設備のメタン合成能力は、1時間当たり8N㎥。今年度末までをめどに各種試験と連続運転を実施。今後の本格運転では、メタン合成プロセスの反応温度、反応圧力、反応負荷などのパラメータを種々変化させた最適化などの技術課題の評価・検討を行い、カーボンリサイクル技術の1つである、CO2を原料にメタンを生成する「メタネーション」技術の確立を目指す。

 事業規模は、2017~19年度の期間全体で約13億9千万円。火力発電などから排出されるCO2の削減は、気候変動対策として重要であり、またCO2を資源と捉えて、これを回収し、有効利用する「カーボンリサイクル技術」の開発も求められている。

 カーボンリサイクル技術としては、燃料や化学原料などの有価物へ再利用することが有用と考えられており、その中でもメタンは天然ガスの主成分で、エネルギーキャリアとして高いポテンシャルを持つほか、天然ガス(都市ガス)で使われている既存インフラを利用できるなど、大きな利点があると期待されている。

出光興産など 秋田県で地熱発電に向けた噴気試験を実施

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2018年10月10日

 出光興産・国際石油開発帝石・三井石油開発の3社は、2011年から地熱開発の共同調査を行っている秋田県小安地域で、掘削した井戸の能力を把握するため、9月28日~10月18日(予定)にかけて噴気試験を実施している。

 小安地域では地下資源の探査・井戸の掘削・蒸気の供給など地熱開発のノウハウを有する3社が共同で開発に取り組んでいる。

 噴気試験の実施目的と内容については、5~9月に掘削した試験生産井A-1とA-2号井で噴気試験を実施。実際の生産井と同規模の井戸で、1~2週間の連続噴気により生産能力を評価する。

 同試験を通じて井戸の噴気能力(蒸気量)、地下温度、地熱流体の化学成分、井戸周辺の透水性などについて検証作業を行う。今後は、18~21年度にかけて第3段階の調査(①生産・還元試験、②貯留層能力評価、③環境影響評価など)を実施していく。

 日本には豊富な地熱資源が存在しており、米国、インドネシアに次ぐ世界第3位のポテンシャルがある。

 地熱発電は天候に左右されずに安定的な電力供給が可能な再生可能エネルギーとして注目されており、東日本大震災以降、国立・国定公園内の地熱開発にかかる規制緩和や再生可能エネルギー固定価格買取制度施行に伴い、現在、国内各地で調査・開発が進められている。

 出光興産はエネルギー事業での環境負荷低減へ向けて、地熱などの再生可能エネルギーを今後も推進していく考えだ。