住友化学 大分工場の購入電力を100%再エネ化

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2021年11月22日

 住友化学はこのほど、温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた取り組みの一環として、大分工場(大分県大分市)の外部購入電力を100%再生可能エネルギー由来に今月から切り替えると発表した。これにより、同工場から排出されるCO2は2013年度比で約20%削減される。

 また、構内で使用するエネルギー源の燃料を重油から都市ガスに転換し、プラントの運転条件の最適化にも取り組み、合計で約30%のGHG排出量削減を実現する。

 住友化学グループは、「2030年度までの排出量30%削減(2013年度比)」目標についてSBTイニシアチブ認定を取得し、様々な取り組みを進めている。排出量は、2013年度実績の954万tに対し、昨年度までに212万t(22%)削減した。

 今回の決定は、愛媛工場のLNG発電所の建設や、千葉工場の高効率ガスタービン発電設備の導入に続くもので、さらなる上積みを見込んでいる。現在、排出量削減目標の引き上げを検討しており、年内をめどに公表する予定だ。

住友化学 大分工場に核酸医薬原薬の製造プラントを新設

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2021年10月26日

 住友化学はこのほど、世界で初めてゲノム編集治療向けに約90%もの極めて高い純度をもつガイドRNA(gRNA)の量産技術を確立したため、大分工場(大分県大分市)に核酸医薬原薬の製造プラントを新設すると発表した。操業開始は2023年半ばを予定しており、生産能力は現在の約6倍となる。

 核酸医薬品は、化学合成での生産が可能な低分子医薬品と、標的へ作用する選択性に優れる高分子の抗体医薬品の特長を併せもつ中分子医薬品。DNAやRNAの働きを利用して、病気を引き起こす遺伝子やタンパク質に作用する次世代の医薬品として注目されている。

 同社は、低分子医薬品の原薬および中間体の製造で培った高度な有機合成技術や工業化技術を基に、2013年に核酸医薬原薬の受託製造事業を開始。近年はゲノム編集治療に必要なgRNAと呼ばれる長鎖の核酸医薬原薬の量産化に取り組んできた。

 ゲノム編集技術は、ヌクレアーゼ(核酸を切断する酵素)を利用して、染色体上の特定の場所にある遺伝子配列を意図的に改変する技術。2020年にノーベル化学賞の対象となった「クリスパー・キャス9」と呼ばれるゲノム編集技術は、それまでのゲノム編集技術と比較して、編集にかかるコストやスピード、効率に優れており、現在の医薬品では根治が難しい疾患に対する治療への活用が期待されている。

 クリスパー・キャス9を使った治療には、DNA切断酵素としてはさみのような働きをするキャス9に加え、キャス9を標的である遺伝子に導く役割を果たす、高純度で従来の核酸医薬原薬の数倍(約100mer)の鎖長をもつgRNAが必要となる。

 同社は、これまでの化学合成による製造方法では困難とされてきた、gRNAを約90%の高純度かつ高収率で量産する技術を世界で初めて確立したことにより、今回の製造プラントの新設を決定した。