大日本印刷 環境マネジメントシステムの認定を取得

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2019年12月13日

 大日本印刷(DNP)はこのほど、印刷業界団体「日本印刷産業連合会」(日印産連)が、環境負荷低減を目指して運用している環境マネジメントシステム「グリーンプリンティング(GP)」の認定を取得したと発表した。

 環境問題に対する社会的要求が高まり、印刷産業にも環境に配慮した製品作りが求められている。日印産連では、印刷産業界の環境自主基準「印刷サービスグリーン基準」を制定し、2006年に、GP認定制度の運用を開始した。

 同制度は、「印刷サービスグリーン基準」を達成した工場・事業所を認定し、環境経営に積極的な印刷関連企業として推奨するとともに、同基準に適合した印刷製品にグリーンプリンティングマーク(GPマーク)を表示することにより、環境に配慮した印刷製品が広く普及することを目的としている。

 GPは、もともと中小企業の多い印刷産業向けに開発したマネジメントシステムで、工場単位での認定となることから、複数の工場で事業を展開する大手印刷会社にとっては取り組みにくい内容だった。また、大手印刷会社は、より高度な環境対応をすでに推進していることから、GP認定を取得するモチベーションが働きにくいという課題があった。

 こうした課題を解決するために日印産連は、今年10月に、GP認定制度を一部改定し、複数の工場について一括で認定を受けるための基準を設けた。DNPは、この改定を受け、カタログ、チラシなどの商業印刷物を製造する七工場について、11月にGP認定を取得した。

 今後同社は、環境配慮の取り組みをさらに強化していくとともに、印刷物のサプライチェーン全体の環境負荷低減を推進するとともに、協力会社などにもGPの取り組みを紹介し、またGPマークを表示した印刷製品の提案などを通じて、印刷業界全体の環境負荷低減に寄与していく考えだ。

DNP 植物由来原料使用の液体紙容器の販売を開始

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2019年10月11日

 大日本印刷(DNP)は10日、紙容器メーカー世界大手のSIG Combibloc Group(SIG)の合弁会社であるDNP・SIG Combiblocが、日本国内で紙ストローと植物由来原料を使用した液体紙容器=写真=を発売し、環境に配慮した製品ラインアップを拡充すると発表した。

DNP 写真 現在、世界的に海洋プラスチックごみの削減や地球温暖化の抑制といった環境問題の解決が急がれている中、人々の暮らしに身近な食品や飲料、日用品などのパッケージにも、環境への配慮が強く求められている。

 そうした状況に対してDNP・SIG Combiblocは今回、日本市場に向けて、SIGの無菌充填システムに対応した、紙ストローと植物由来原料を使用した液体紙容器の販売を開始した。同製品はSIGがすでに海外で展開しており、DNP・SIG Combiblocが製品のラインアップを拡充し、日本へも環境に配慮したパッケージを提供する。

 今回SIGが開発した植物由来原料を使用した液体紙容器「SIGNATURE PACK100」は、森林認証紙をベースとした環境負荷の少ない製品。紙以外の樹脂にも植物由来原料を使用しており、より一層の環境負荷の低減を可能にした設計となっている。

 また、バリア性の必要な製品向けとして、アルミ箔を付加した「SIGNATURE PACK FULL BARRIEER」もラインアップ。今後、DNP・SIG Combiblocは、飲料メーカーに向けて、2020年度中に同製品の供給を開始する予定。また、まっすぐなストレート型の紙ストローに加え、U字型や伸縮可能な紙ストローの開発も進めていく。

 DNP・SIG Combiblocは、環境に配慮した紙容器の提供を通じて、プラスチックごみの削減に努めるとともに、日本市場でのSIG無菌充填システムの導入拡大を進めていく考えだ。

DNP モノマテリアルで金属調のラミチューブ販売開始

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2019年9月13日

 大日本印刷(DNP)は12日、リサイクルに適したモノマテリアルでありながら、高級感のあるメタリック調の意匠を実現したラミネートチューブ=写真=を開発したと発表した。DNP ラミネートチューブ

 これまで、PEフィルムとアルミ蒸着PEフィルムを積層したパッケージは、モノマテリアルのためリサイクル適性に優れているものの、一般的な加工技術では輝度感が薄れ、メタリック調の輝きが損なわれてしまうという課題があった。

 この課題に対しDNPは、長年培った蒸着技術とプラスチックフィルム積層技術により、PE樹脂の選定とアルミ蒸着、フィルム積層方法に工夫を加えることで、モノマテリアルでありながら、金属のような高級感のあるメタリック調の意匠を実現した。今後、同社は、今回開発したラミネートチューブを、東南アジアをはじめ国内外のマーケットに広く販売していく。

 また、欧州や米国、アジア諸国や日本国内など、世界各地の事情に合わせて確立されていくリサイクル関連の状況に合わせて販売を強化。パーソナルケアや化粧品、食品、ホームケア、工業分野のメーカーなどに販売し、2022年度に年間10億円の売上を目指す。

大日本印刷 環境配慮パッケージでCO2削減2500tを突破

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2019年7月8日

 大日本印刷(DNP)は5日、環境配慮パッケージの出荷を通してCO2排出量を2500t以上削減したと発表した。

 同社が開発した「DNP植物由来包材バイオマテック」の、2018年度の1年間の出荷量からCO2削減量を算定したところ、石油由来の包材を使用した場合に比べ、CO2排出量が2500t以上減少したという結果を得た。これは、17万8000本のスギなどの森林が1年間で吸収するCO2量に相当するという。

 同社は、「持続可能な原料調達」「CO2の削減」「リサイクルの推進」という3つの価値を起点に、循環型社会の実現を目指しており、環境負荷の低減につながるパッケージシリーズ「GREEN PACKAGING」を展開している。

 同シリーズの柱の1つが、「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズ。サトウキビから砂糖を精製した際の副産物(廃糖蜜)やトウモロコシなど、植物由来原料を一部に使用することで、石油資源の使用量を削減する。

 植物は生育の過程で、光合成の際にCO2を空気中から取り込むため、パッケージ使用後の焼却時に出るCO2と相殺することが可能(カーボンニュートラル)で、製品のライフサイクル全体でのCO2削減に有効だ。

 同製品は、石油由来のプラスチックフィルムと同等の物性を持ち合わせており、食品や日用品など誰もが手に取る商品に使用できることから、石油由来のプラスチックフィルムと比べて、CO2排出量を製品のライフサイクル全体で約10%以上削減する。

 DNPは、2010年に「バイオマテックPEフィルム」を、2012年に「バイオマテックPETフィルム」を開発するなど、ラインアップを増強している。同シリーズの拡販でさらに環境配慮を進め、2020年度には5000t以上のCO2削減を目指す。