富士フイルム CDMO事業を加速、欧米拠点に2000億円を投資

, , ,

2022年7月4日

 富士フイルムはこのほど、バイオ医薬品の開発・製造受託事業の成長を一段と加速させるため、バイオ医薬品CDMOの中核会社FDBの欧米拠点に、総額約2000億円の大規模投資を行うと発表した。抗体医薬品の生産能力増強を目的に、FDBのデンマーク拠点と米国テキサス拠点に対して実施し、いずれも2026年の稼働を予定している。

 抗体医薬品市場は、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

富士フイルムなど 脱炭素社会実現に向けた包括協定を締結

, , ,

2022年4月25日

 富士フイルム、東京ガス、神奈川県南足柄市は29日、「脱炭素社会の実現に向けた包括連携協定」を締結したと発表した。

 エネルギー利用者とエネルギー事業者、そして地方自治体が協働し、ものづくりにおける

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

富士フイルム 水性顔料インクジェット用色材、米国工場を増設

, , , ,

2022年4月21日

米国FFICの工場

 富士フイルムはこのほど、水性インクジェットインク製品を製造する米子会社FFIC(デラウェア州)において水性顔料インクジェットインク用色材である顔料分散液の生産工場を増設すると発表した。投資額は約30億円で、2023年夏の稼働開始を予定している。

 FFICでは、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

富士フイルム 米国のサイトカインの有力企業を買収

, , , , ,

2022年4月18日

 富士フイルムはこのほど、米国子会社フジフイルム アーバイン サイエンティフィック(FISI)を通じてサイトカインの開発・製造・販売を行う米国バイオテック企業シェナンドーア バイオテクノロジー社を買収した。

 サイトカインは、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

富士フイルム ライフサイエンス領域のCVCを始動

, ,

2022年2月28日

 富士フイルムはこのほど、重点事業領域の1つであるライフサイエンス(LS)領域のコーポレートベンチャーキャピタル(LS‐CVC)を始動させると発表した。LS‐CVCでは、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

NEDOなど 世界初、大規模人工光合成で水素を製造

, , , , , , , , ,

2021年9月22日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)はこのほど、東京大学、富士フイルム、TOTO、三菱ケミカル、信州大学、明治大学とともに100㎡規模の太陽光受光型光触媒水分解パネル反応器と水素・酸素ガス分離モジュールから成る光触媒パネル反応システムを開発し、太陽光による水分解で長期間安全かつ安定的にソーラー水素を分離・回収できることを実証した。世界初の実証事例。

 NEDOは、水の光分解で得たソーラー水素とCO2からC2~C4オレフィンを製造する「二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発(人工光合成プロジェクト)」で、①光触媒(水の光分解で水素と酸素を製造)、②分離膜(水素・酸素の混合ガスから水素を分離)、③合成触媒(水素とCO2からC2~C4オレフィンを合成)の研究開発に取り組んでおり、今回の成果は①と②に当たる。

 光触媒パネル反応器は、透明ガラス容器にチタン酸ストロンチウム光触媒シートを格納したもので、光触媒を基板上に塗布するだけで製造できる。紫外光で水を分解し、量子収率はほぼ100%。疑似太陽光の連続照射による耐久性試験では、初期の8割以上の活性を2カ月以上(屋外試験で約1年に相当)維持した。この反応器を連結した3㎡のモジュールをプラスチックチューブで連結し、100㎡規模の反応器とした。屋外環境で水素と酸素が2対1の混合ガスを発生。その太陽光エネルギー変換効率は夏期には0.76%であった。

 ガス分離モジュールで水素濃度約94%の透過ガスと、酸素濃度60%以上の残留ガスに分離。天候・季節によらず、水素の回収率は約73%だった。水素濃度4~95%の混合ガスは着火すると爆発するが、1年以上の屋外試験で一度も自然着火・爆発はなかった。爆発リスクの確認のために、光触媒パネル反応器、ガス捕集用配管、ガス分離モジュールに意図的に着火したが、いずれも破損や性能劣化はなかった。

 今後、可視光にも応答するエネルギー変換効率5~10%の光触媒の開発と、光触媒パネルの低コスト化と一層の大規模化、ガス分離プロセスの分離性能とエネルギー効率の向上のための技術開発を進め、実用化を目指す。

 

 

富士フイルム 画像診断支援AIの有効性をインドで検証

, ,

2021年9月21日

 富士フイルムはこのほど、新興国向け健康診断サービス事業の新たな取り組みとして、画像診断支援AI技術の有効性実証に向けた検証事業をインドで開始した。

今年2月にインドに開設した健診センター「NURA」
今年2月にインドに開設した健診センター「NURA」

 今年2月に同国に開設した健診センター「NURA(ニューラ)」を活用する。なお、同事業は、日本企業がデジタル技術を生かしながら、経済発展著しいアジア新興国の社会課題解決に貢献する活動として高い評価を受け、経済産業省が推進する「アジアDX促進事業」に採択された。

 同社は、今年2月に新興国での健康診断サービス事業を開始し、第1弾として、がん検診を中心とした健診センター「NURA」をインドのベンガルールにオープンした。NURAでは、高精細な診断画像を提供する同社の医療機器やAI技術を活用した医療ITシステムなどで医師の診断をサポートし、がん検診をはじめ生活習慣病検査サービスを提供している。

 これまでに、ベンガルールを中心としたエリアの居住者や近隣企業・医療施設関係者など、20~80代までの幅広い年齢層のユーザーが受診。スピーディーかつ高品質なサービス内容に対して高い評価を得ている。

「NURA」でのCT検査
「NURA」でのCT検査

 今回開始する検証事業では、来年1月までに、NURA受診者のうち2000人分の胸部CT画像データを対象として、AI技術を活用した画像診断支援機能を使った検診が、病変の見落としの防止や読影スピード向上につながることを検証する。

 具体的にはNURAで撮影したCT画像に対し、画像診断支援AI技術を活用して医師が読影した結果と、別の医師が同技術を活用せずに読影した結果を比較し、診断結果とスピードの差異を分析。これらの結果を基に、AI技術によって見落としを防止しつつ医師の読影ワークフロー全体にかかる時間を削減する効果を実証し、新興国の限られた医療リソースでも効果的に健診サービスの展開が可能であることを実証する。また、新興国の健診サービス向けに、CT画像から腹部(腎臓・肝臓・胆のう)の異常検出を支援する新たなAI技術の開発も行う予定。

 

富士フイルム 銀塩増幅反応で新型コロナ抗原を高感度で検出

, , , ,

2021年8月24日

 富士フイルムはこのほど、ハンディタイプの新型コロナウイルス抗原検査キットを体外診断用医薬品として、富士フイルムメディカルを通じて発売を開始した。

 検査キット「富士ドライケム IMMUNO AG(イムノ エージー)ハンディCOVID-19 Ag」は、写真の現像プロセスで使う銀塩増幅反応による高感度検出技術を応用した「銀増幅イムノクロマト法」によるもので、カートリッジに検体の抽出液を滴下すると10~13分で検査結果を目視確認することができ、専用の検査装置は不要だ。

 使用した抗体は横浜市立大学が開発したもので、従来のコロナウイルスやインフルエンザウイルスとは区別し、新型コロナウイルス抗原を高精度で検出。また変異の影響を受けにくいウイルス抗原部位を標的とした抗体であるため、アルファ株、ベータ株、ガンマ株などの変異株のウイルス抗原も高精度に検出できることを確認している。

 標識抗体は、この抗体に金コロイドを付けたもの。これと抗原が結合して抗原抗体複合体となり、それを検査キットの検出ラインに塗布した捕捉抗体が捕捉。そこに還元剤と銀イオンを共存させると、銀増幅反応により金コロイドの周囲でのみ銀イオンが還元して直径約6㎛の金属銀を形成する。目視検出能は約100倍に増幅され、ウイルス量が少ない場合でも検出が可能となる。同大学と共同で行った培養ウイルスや臨床検体を使った性能確認の結果、銀増幅を用いないイムノクロマト法と比べて高いウイルス検出能を示した。

 同製品の発売により、検査装置をもたない高齢者施設、企業、学校などでも新型コロナウイルスの検査を可能とし、さらなる検査体制の拡充と感染拡大の抑制に貢献できるとしている。

富士フイルム バイオ医薬品の原薬生産能力、欧米で大幅増強

, , ,

2021年7月14日

 富士フイルムはこのほど、バイオ医薬品CDMOの欧米拠点に投資総額約900億円の大型投資を行うと発表した。製造設備を増強し、需要が増加するバイオ医薬品の原薬生産能力を大幅に向上させる。なお、増強設備は2023年後半に稼働する予定だ。

 同社は、バイオ医薬品の生産プロセスの開発受託、小量生産から大量生産、原薬から製剤・包装までの製造受託に対応できる強みを生かして、CDMO事業の拡大を進めている。拠点拡充や設備増強により生産能力を大幅に拡張するとともに、培養から精製までの原薬製造工程の一貫生産が可能な連続生産システムを業界で初めて開発するなど高効率・高生産性を追求した技術開発に注力している。

 今回、米国FDBの既存拠点に、機動性に優れるシングルユース仕様の2000ℓ細胞培養タンクなどの製造設備を新たに導入することで、遺伝子組換えタンパクワクチンの原薬製造能力を約2倍に向上させる。また、遺伝子治療薬にも対応し、最先端医療分野の遺伝子治療薬などの受託ニーズに応えていく。

 一方、英国拠点では、遺伝子治療薬のプロセス開発・原薬製造が可能な新棟を建設、同拠点内の原薬生産能力を十倍以上に拡大させる。また、動物細胞培養によって製造する抗体医薬品では、小・中量の培養タンクの追加導入により、同拠点内の生産能力を約3倍に増強する。特に欧州における小・中規模生産の受託ニーズに応えるとともに、大型培養タンクをもつデンマーク拠点での大規模生産にスムーズに繋げる受託基盤で顧客の新薬開発を支援していく。

 さらに、新棟スペースを利用して、連続生産システムによるGMP製造が可能な設備を導入し商業生産も行っていく計画。この他、微生物培養による遺伝子組換えタンパク医薬品では、既存ラインの精製設備の増強などにより原薬生産能力を約2倍に高め需要増に応えていく。

 バイオ医薬品市場は、抗体医薬品や遺伝子治療薬、新手法を用いたワクチンの需要増から伸長していくことが想定される。バイオ医薬品の製造には高度な生産技術と設備が必要とされるため、製薬会社やバイオベンチャーはCDMOにプロセス開発や製造を委託するケースが増えてきている。

 同社は、2011年にバイオ医薬品CDMO市場に参入。事業成長を加速させるため、昨年から今年にかけて20000ℓ細胞培養タンクの増設や大型製造拠点の新設など大規模設備投資を決定。M&Aも含めた同事業における総投資金額は、今回の投資も加えて約6000億円に上る。

富士フイルム 抗ウイルスフィルム、独自抗菌技術で効果持続

, ,

2021年5月13日

 富士フイルムはこのほど、独自の抗菌技術「Hydro Ag+」で抗菌・抗ウイルス効果が長く持続する業務用の抗ウイルスフィルム「ハイドロ エージープラス ウイルスプラス」を今月下旬より発売すると発表した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対して99.4%以上のウイルス不活化効果を示し、SIAA(抗菌製品技術協議会)「抗ウイルス加工」マークの取得申請を予定している。

 銀系抗菌剤と超親水ポリマーを組み合わせることで、フィルム表面を銀系抗菌剤でコーティングするだけでなく、膜中の銀系抗菌剤からも銀イオンが表面に常に供給されるため、長期間にわたり高い抗菌・抗ウイルス性能を持続する。不特定多数の人が触れる公共施設のタッチパネルやデジタルサイネージ、タブレットやスマートフォンのディスプレイなどに貼ったり、医療施設やコンビニ、タクシーなどでの飛沫防止パーティションとして使うことで、付着したウイルス数を減少させ、日常生活での感染リスクを軽減させることが期待できる。

 クリアタイプとマットタイプの2品種があり、クリアタイプは透明性が高く、ディスプレイの色やコントラストをクリアに再現する。特殊な親水性コーティングにより油や水をはじき、付着した指紋や汚れを簡単に拭き取ることができる。マットタイプは反射による映り込みを低減し、特殊な撥水性アンチグレアコーティングにより画面操作時に指紋などがつきにくい。

 同社は、この技術を活用した殺菌成分配合ハンドジェルやアルコールクロス、アルコールスプレーを医療や介護の現場、一般家庭向けに展開しており、いずれの製品も新型コロナウイルスの持続的な不活化効果を確認している。これからも先進独自の技術によって、人々の生活の質の向上に貢献する製品を開発・提供していく考えだ。