富士フイルム 100億円投資し米国で半導体材料事業を拡大

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2018年12月18日

 富士フイルムはこのほど、半導体材料事業をさらに拡大するため、米国の半導体材料の開発・生産・販売拠点であるフジフイルム・エレクトロニクス・マテリアルズUSAFEUS)で、最先端半導体材料の開発・生産・品質保証などの設備を増強すると発表した。設備投資の総額は、今から3年間で100億円となる。

 AIIoTや次世代通信規格「5G」の普及、自動運転技術の進化などにより、半導体のさらなる需要拡大と高性能化が見込まれる中、半導体の微細化が進んでいる。これに伴い、より純度の高い高性能・高品質な半導体材料を安定的に供給することが求められるようになっている。

 富士フィルムは日本・米国・台湾・韓国・ベルギーなどに半導体材料の研究・開発・生産・販売拠点を置き、フォトレジストや現像液、CMPスラリー、高純度溶剤、イメージセンサー用材料など先端半導体材料をグローバルに提供している。

 各拠点では、半導体の需要拡大や高性能化を見据えた設備増強を進め、現地生産体制や品質保証体制を拡充するなど、顧客サポート力を高めて顧客満足度のさらなる向上を図っている。

 今回の投資では、FEUSのアリゾナ州とロードアイランド州の2工場で、最先端半導体材料の開発・生産・品質保証などの設備を増強する。

 アリゾナ州の工場では、CMPスラリーや高純度溶剤の開発強化のために新棟を建設。新棟内にクリーンルームを設置するとともに、最新鋭の検査装置なども導入し、開発のスピードアップや品質保証体制の拡充を進めていく。

 また、CMPスラリーの増産に向けた設備投資も行い、高まる需要増に対応する。さらに、ロードアイランド州の工場では、最先端のNTI用現像液の生産設備を増強し、さらなる高純度化ニーズに応える。

 富士フィルムは現在、高い成長が期待できる半導体材料分野に積極的に経営資源を投入し、事業拡大に向けて取り組んでいる。今後も、最先端の半導体材料を開発し、ワールドワイドに提供していくことで、半導体産業のさらなる発展に貢献していく考え。

 

 

富士フイルム 米大学と医療画像診断支援システムを共同研究

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2018年8月30日

 富士フイルムはこのほど、米国の高度先端医療機関であるインディアナ大学医学部(IUSM)と、AI技術を活用した医療画像診断支援システムの開発に関して共同研究を開始すると発表した。

 近年、CTの多列化など画像診断装置の高性能化に伴い、診断画像の枚数が増大しており、医師がこれらの大量の画像を効率的に読影・診断できるソリューションが求められている。

 また、AI技術の活用で画像から病変の疑いがある箇所を検出したり、過去の症例と照合しレポートを半自動で作成したりするなど、医師を支援し、医療現場の効率化に貢献できるシステムが期待されている。

 同社は、医師の診断ワークフローを総合的に支援する、AI技術を活用した画像診断支援システムの研究開発に注力。複数の自社開発プロジェクトに加え、優れた技術を持つ国内外のAI技術ベンダーとも積極的にパートナーシップを組み、各社のAI技術を同社システム上で利用できる仕組みの開発を推進している。

 IUSMは、米国内に17の病院と約3万3000人の従業員を擁する、高度先端医療機関であるインディアナ大学病院と提携しており、画像診断の知見やノウハウを豊富に保有。

 今回の共同研究では、同社の画像処理技術やAI技術と、IUSMの豊富な読影・臨床知見を融合することにより、医師の画像診断プロセスやノウハウを取り込んだAI技術を開発するとともに、グローバル展開を見据えて、医師の診断ワークフローを支援する最適なシステムを探索する。

 まずは、同社のAI技術による①加齢や臓器不全などの疾患によって全身の筋力や身体機能が低下するサルコペニアを対象とした診断・治療支援の可能性②脳神経領域での病変候補の検出および定量化による読影支援の可能性について、共同で検証していく。

 同社は医療画像診断支援、医療現場のワークフロー支援、医療機器の保守サービスに活用できるAI技術の開発を進め、これらの領域で活用できるAI技術を〝REiLI(レイリ)〟というブランド名称で展開し、各市場のニーズやワークフローに適したソリューションとしてグローバルに提供していく予定。

 今後、ビッグデータ化する診療情報に対してAI技術を活用し、医療現場の様々なニーズに応える幅広い製品・サービスを開発・提供することで、さらなる診断の効率化と医療の質の向上、人々の健康の維持増進に貢献していく考えだ。