日本プラスチック工業連盟は先月28日、書面決議による第72回定時総会・第56回理事会を開催し、姥貝卓美会長(三菱ケミカル特別顧問)の任期満了による退任に伴い、新会長に岩田圭一氏(住友化学社長)を選任した。
岩田新会長は就任にあたり挨拶文を寄せ、同連盟の重点課題として、「循環型社会実現に向けた取り組み」と「国際標準化活動」の2点を挙げた。
循環型社会の実現では、「今回の新型コロナウイルスの世界的感染拡大では、特に衛生性の観点から、医療現場をはじめとする社会基盤を支える素材として、プラスチックの重要性が再認識された。その一方で、プラスチックの有効利用を促進し、資源循環体制を構築することは喫緊の課題である」と現状を分析。
同連盟が昨年発表した「プラスチック資源循環戦略」を軸に、①科学的データに基づく情報発信②再生材の利用推進③ケミカルリサイクルの社会実装実現④バイオプラの利用推進⑤廃PETボトルなどの100%回収―を目指して取り組んでいくとした。海洋プラごみ問題に向けた宣言活動も継続していく。
国際標準化活動では、日本のプレゼンス維持と日本提案の規格開発推進に積極的に取り組み、企業の新規市場展開を支援につなげていく。中でも「近年特に重要性が増しているプラスチックのリサイクル、海洋生分解性プラやマイクロプラなどに関連した規格開発にも注力していく」(岩田新会長)考えを明らかにした。
また、来年度から始まる同連盟の4カ年計画に触れ、「変化する社会のニーズを踏まえ、より実効性のあるものにしていくために、今年度は会員の方々のご意見も広くお聞きしながら議論していく」(同)との方針を示した。